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伝統攻撃

でも、それって根本的に感想になっていませんよね?

神がかりクロスハート! 感想

ういんどみるの「神がかりクロスハート!」の感想です

10周年記念作品第1弾は「原点回帰」と言うことで「萌え」と「エッチ」の両立がテーマ
私事ながら、奇しくもつい最近10年前の2002年の作品である「ぽぽたん」をプレイして
前後の作品として話題作などを列挙したのですがその一つが「結い橋」でした
それは、当時話題となった「萌えエロ」というジャンルを代表する作品の1つでした

その辺りをふまえてこの作品、真っ当な進化を遂げた萌えエロになっていると思います
Hが濃くなり始めている昨今の萌えゲーと比較しても本作は濃いめになっていたかと
その分多少、下品に感じる部分もありますけどヒロインの魅力は損なわれている
と思う部分はありませんでしたし、それはそれ、これはこれとして楽しめるレベルです

ヒロインは5人+α、隠しヒロインとして1人います
攻略は全員が一発分岐という程ではありませんが、非常に単純で困らないでしょう
前の選択肢へ、次の選択肢へという便利機能もありますしプレイは快適です
ボリュームはどのルートもそれなりにイチャラブする期間が用意されています
Hシーンは1人の例外を除き基本的に4シーン以上あります、殆どが連戦仕様です

シナリオは大仕掛けこそ無いモノの、キャラとのカンケイを楽しむには充分かと
極端に鬱になるような要素はなく、3人の同学年ヒロインについては山場の展開も控えめ
ヒロインとのイチャラブのムードを出来るだけ崩さないようにという配慮にも見えます

1人攻略する事でアンロックされる先輩2人は多少設定の説明が入るシナリオの為
順風満帆に、ヒロインとの関係だけを楽しめばいいとは行かないのですけども
ヒロインの魅力を引き出す為の描写は十分になりますし3人に負けず劣らないヒロインかと

故に、この萌えゲー特有のテンポが退屈に感じる人には厳しい作品かと思います
難しい事を考えずプレイしたいという人には、適度な塩梅になっているのではないかと
ただ、エピローグシナリオの扱いが人によっては好みを大きく分けるかも知れません

そんな感じで、5人+αのヒロインで個人的に外れのヒロインはいませんでした
シナリオの扱いで言えばもう少し……というヒロインがいるにはいるのですけども
キャラクターとしては少なくとも嫌いになる娘はいませんでした


Hシーンは殆どが連戦仕様になっています、特別ぶっ飛んだプレイはないのですけど
萌えゲーとしては大胆な構図でのシーンが多く、妙にHに感じるようになっています
よく考えたら昔は魔法とHのカンケイとか作っていたメーカーなんだよなと改めて
多少下ネタは多いですけど、某でにけりよりは場をわきまえていますし
そのエネルギーはしっかりとHシーンにぶつけていますので問題アリマセンでした


原点回帰、今のういんどみるが送る正統進化系萌えエロゲーと言う事で
路線は現代物+少し不思議路線という事で、ファンタジー方面ではありません
萌えゲーとして手堅く、丁寧に作られた作品となっているかと思います
シナリオの大仕掛けや他と大きく差別化するような変化球はありませんが
こういうのが良い人には問題なく楽しめる作品かなと思います

丁寧に作られた故、萌えゲーのもつ欠点も丁寧に継承しています
眠い、退屈などネガティブなイメージを持つ方には厳しい作品でしょう
昨今の変化球的作品に惹かれた方にはパンチが弱いでしょうし
シナリオを求める人には少々肩すかしな軽い内容かも知れません

あくまで萌えゲーの延長として、それを楽しめる人向けの作品です
エロゲーの世界の冒険に疲れた人には良い塩梅の作品かもしれません
しかし、結い橋の頃が好きだったプレイヤーにはどう映るのでしょうかね


以下、ネタバレを含む感想



【システム】
・画面は16:9
・音声個別設定有り
・前の選択肢へ、次の選択肢へあり
・ヒロインのアンロック有り

AVGに必要な機能は一通り揃っているかと思います
なんだかんだで足まわりは安定しているメーカーですね

原点作品は意外とエラーに見舞われたのですけどと昔話

ヒロインは1人クリアする事で沙菜、青梅が攻略可能に
5人クリア後にエピローグシナリオがプレイ可能に
エピローグは分岐でHシーンの有無が別れます


【ヒロイン】
■七咲杏子
翔悟が10年前に町に住んでいた頃のお隣さんで幼馴染み
当時から翔悟を慕っておりずっと後ろに付いていて、あだなは「わんこ」
撫でられると喜び翔悟を慕い擦り寄ってくる様はまさにわんこである

信心深くいつも神社でお祈りをしている、そんなとき彼女の前に神の使いを名乗る
「みさき犬」が現れて、杏子の願いを叶えるべく憑依してしまう
憑依された杏子は服すら置き去りにして自分を瞬間移動させる能力を手に入れるが
しかも発情してしまうというおまけ付きである、エロコメ始まった

過去の別れの体験から再び翔悟が遠くへ行ってしまうのではないかと恐れる杏子
彼女の願いは何かって言うのは全くひねったモノではなくそのままの内容です
どうすれば願いが適った事になるのかという基本ルールの理解などで
最初にプレイするのが良い娘かと、イチャラブ描写も安定しています


■神楽坂こねこ
10年前翔悟と入れ替われるように杏子と知りあった猫好きの少女
杏子が大好きな親友で、杏子がべったりの翔悟に対抗意識を燃やす
元気で勝ち気な性格に見えるが実際は臆病で寂しがりやの性格です
ちなみにボディは我が儘です、トランジスタなんとか

こねこは「みさき猫」に憑依され心を読む能力を手に入れます
強力な能力故、使うのを周囲に諫められますが本人の弱さから使ってしまい
しかし、能力に振り回される事になってしまったり……

杏子好きという事で他のシナリオでは態度が気になる人がいるかも知れません
下手をすれば、シナリオの仕掛け以上の存在意義が微妙なオカ研よりも……
それを受け手のギャップで攻めるキャラと言うところでしょうか
エピローグシナリオでの入れ込み具合は3人中随一になっています

こねこは、翔悟と入れ替わるように現れたと言う話で妙な引っかかりを見せます
これ自身が明かされるのは別シナリオとなっています、これ自体
そこまで重要な要素でもないどころか音としてはがっかりの部類なのですが
このネタの為に別ルートでは凄く絡みにくい中途半端な百合キャラになっているのが


■汐崎聖
翔悟とは従妹にあたり、翔悟が居候する旅館の一人娘でもある
当時は杏子ほどではなかったが、翔悟とよく遊んでいた様子
普段はクールで他の人より一歩引いた一でつるんでいる娘
その辺りは、過去に旅館の娘として思うように遊べなかったことが掛かる

聖にも、神の使いであるミサキアビシニアンこと「聖猫」が憑依する
聖猫は他のミサキ犬、ミサキ猫と比べ登場が遅いですが存在感はトップ
能力は、見る能力、異世界などから目的のモノを探す事が出来るようになります
コレのおかげで、他の2人シナリオよりも多めの伏線が張られる事に

どちらかというとクールで一歩引いた位置にある聖の本当の想いが解る
聖ルートは他のシナリオとはまた違った魅力が見られるお話になっています
2人の関係は、発情によるちょっとしたトラブルでなし崩し的に結ばれるのですが
それで話が終わらないのが聖の可愛いところであり、エロイ所なのです
「素直になりたい」という願いは聖が1人で大抵の事は出来る故に難しいお話しで
結ばれて、明らかにデレているじゃないと、見えてもどこかで賢く付き合ってしまう
そんな彼女が完全に素直になる二段階目の変身をするまでのお話しです、二度美味しい


■狐塚沙菜
5人の中では唯一、エピローグシナリオに直接繋がるシナリオになっているかと思います
ひたすら個々人へのイチャラブに傾いた4人に対して、真っ当に最後への振りをするのです
真っ当すぎて他のシナリオと比較してイチャラブは弱く、紗菜と千夏、そして翔悟という感じ
といっても、これはこれで落ち着いた安定期のカップルのようで心地よくもあります
最終シナリオをお膳立てしつつ、押せ押せムードに疲れたプレイを癒すヒーリングポイント
しかし、もとよりクールキャラで、設定オシシナリオの為、何故そこまで翔悟のことをと
思わなくも……、時渡りの民というのは寂しがり屋で協力的な人間に弱いと言えばそれまでか



■宮乃青梅
神使長が憑いており、他のメイン3人より重要な立ち位置にあり
核心に近い設定も提示されながら、舵の切り方を間違って変な方向に飛んだシナリオ
個別序盤から同棲関係に突入し、イチャラブをしつつ設定を回収するかと思いきや
神使長が聖たんハァハァしだしたせいで、神使長に振り回されつつも青梅に尽くされて
気付いたら結婚して子供を産んでいた、何を言っているか解らないかもしれないが……

年上勢はエピローグシナリオを補助する役割と思ったらオマケシナリオだったみたいな流です
でも、青梅の破壊力は非常に高く、ある意味酷いシナリオですけどお気に入りです


■エピローグシナリオ
全ヒロインクリア後満を持して登場したシンのヒロインであるナツ様こと
千夏ルートなのですけど……全体的にしっくり来ないお話しです
一言で表すと伏線回収の犠牲になったというか、力業が多く見られるシナリオ

正直、千夏が現れて結ばれて解決では駄目だったのかと青梅シナリオをみて思ったり
単体で見ると話の流としては嫌いではないのですが5シナリオで重ねたものが見えにくく
なんとかする為に、脱線した青梅さんを除いて未来ヒロインを集結するワケなのですが
どうにも、主人公とプレイヤー自身がその辺りについて行けず置いてけぼりを食らい
さらに、今までとかなり雰囲気の違う、ヒロインよりもシナリオ重視の進行させられます

そうです、シナリオの中心人物は翔悟と千夏なんですけど、翔悟は気概だけ見せて
千夏を困らせているだけで基本的には全く役に立ってないのですよね
肝心の過去の記憶も結局断片だけ、こねこさんは大した秘密もなくすると言う感じで
最後で詰めを誤ったと思う展開でした、もう少し丁寧に翔悟と千夏の関係を描写したり
或いは難しい事を考えない他と同じエロコメ展開にしたりすれば……

徐々に伏線を張って、5シナリオ後演出共に登場するシナリオという点で
もっとも丁寧にやらなければ行けないシナリオだと思うのですけどね
萌え+エロ展開に力入れすぎて予定が狂った感じなのでしょうかね
時々鬱陶しいオカルト研のように、シナリオの都合を感じる存在が結構あります


【Hシーン】
・七咲杏子:4
・神楽坂こねこ:4
・汐崎聖:7
・狐塚沙菜:4
・宮乃青梅:5
・千夏:1

回数としては聖が優勢に見えますが、自慰シーンがあるので
ボリュームとしてそれ程差別化されているとは思いません
といってもプレイ内容とか見ると結局聖と青梅が濃いめですかね

プレイ内容は普通のHシーンの範囲内ですが、
そして、殆どのシーンが連戦であることや絵の構図、描写から
一般的な萌えゲーよりも多少下品で、濃く感じられます



【まとめ】
最終シナリオの展開が少々気になるのが残念ではあるモノの
萌え+エロという意味では良くできた作品になっているかと思います
それ以上を求めると結構酷ですね、シナリオ面でも悪くなかったのに最後で……
変化球も少なく気に入ったヒロインがいれば素直に楽しむ事が出来るでしょう
青梅や聖は個人的にかなりの当たりヒロインです、みんな良い娘ですけど特に

典型的萌えゲーでもあるので、順風満帆にヒロインとイチャつくだけは退屈という方や
シナリオを疎かにするなんて最近のゲームは弛んでいると思う方にはオススメしません
何はともあれ萌え+エロ、10年前のういんどみるに見た光景と合致するかは解りませんが
その辺りに興味があればプレイしても損はない作品ではないかと思います

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