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伝統攻撃

でも、それって根本的に感想になっていませんよね?

あっぱれ!天下御免 感想

BaseSonの「あっぱれ!天下御免」の感想です

ある種、年末の恒例になっているBaseSonの物量押しのお祭り作品になります
舞台は違えどシステムなどのフォーマットは今までと似通っています
今作は江戸時代の英雄達(実在、創作の存在問わず)が一同に登場するという作品です
流石に時系列を考えると無茶になるので、仮想された世界、時代の話になっていますが

しかし、江戸時代に活躍した存在に限定しても、これだけの人物がいるんですね
それだけ260年あまりある歴史というモノは偉大なのでしょうかと驚きを感じたり
そんな感じで着眼点は素晴らしいなと、体験版ではパロディあわせて思っていたのですが

攻略対象となるのは23人、うち3人1セットが2つあるので攻略回数で見ると19回になります
敢えて言うのもばからしいぐらいなのですが、プレイして感じた点はやはり多すぎたと言うところ
プレイ時間の長さという意味では、個人的にはそれ程期にならないので良いのですけど
この多過ぎると感じる部分は、シナリオの整合性、薄さや攻略システムの悪さから来ています

シナリオの薄さに関しては予想できるモノなので、許容するとしても
少なくとも大人数を攻略するという前提があるとしたらこのシナリオ選択は
あまり適したものであるとはとは言えないかと思います

追い打ちをかけるように中途半端なシナリオスキップと通常スキップの遅さ
これがサクサク動作していれば多分もう少し、ストレス無く楽しめたなと思います
システムは揃っているのですけど、この仕様だと明らかに足りていないかと

シナリオは一本筋の決まった展開に、関わるキャラによって過程が多少変わる程度
19シナリオ中17シナリオは、ほぼ同じような落とし方をして終わるようになっています
個別に与えられるシナリオ量が少なく、固まった個別シナリオ区間があるわけではないので
気付いたらヒロインと良い仲になっていて、決戦後思い出していたようにイチャついていた
と言う事がざらにあります、少なくとも個別分岐までは誰を攻略しているのか全く解りません
分岐してもあくまで本編ありきで、オマケにヒロイン達という形なので影は薄いです

一応「学園島」ということで、学園モノ的設定なのですが、登場人物の大半が若い以外に
学園という存在を全く持って感じない設定になって言います、この良く分からないシステムを
実社会のそれに組み込もう等すると難しいでしょうし、学園という舞台になったのかと

それはともかく、学園は、ヒロインである吉音が居眠りしていたと言う情報を得る以上に
全く以って意味を感じない程度のモノに感じます、舞台設定は色々考えているのでしょうが
基本的には学園島やらシステムやら陰謀やら併せて特に気にすることではないかなと
江戸時代風の服を着た女性陣と日常を過ごしながらも結ばれる話ぐらいの認識です

ヒロインは19人中7人は一応、個別っぽい大きめのエピソード分配があるかなというところ
メインである詠美、吉音の部分を除けば、1時間ぐらいあればいいかなと言うところで
更に言えば特別枠の2人も、特別枠は与えられているモノの95%ぐらいは共通となっており
多くのエロゲーで見られるレベルの個別シナリオを期待するのは厳しい内容になっています
そもそも普段、それぞれで動いて、幾つかの事件で関わる程度の関係に過ぎなかったのが
ある日を境にいきなり親しくなってたりするなど、仲良くなる過程すら怪しいゲームなので
取りあえず、攻略できるだけでも儲けモノぐらいで挑まないと厳しいしかなと思います

Hシーンは1人1人の数は少ないモノの、立ち絵のある女性キャラ全員についてあります
(立ち絵のあるキャラで攻略対象でないキャラとして柳宮十兵衛、飛鳥鼎、由比雪那がいます)
ついでに複数で1セットのヒロイン「子住姉妹」 と「大江戸探偵団」については全員プレイがあり
オマケで朱金と真留の3Pもあり、考えられる組み合わせは結構フォローされています
ただ、回数は流石に少なく、一回の濃さも普通程度でプレイ内容も平凡です
メインキャラなのに1回ずつで、サブキャラなのに3回あるとか謎の比重も存在したり
なんだか良く分からないバランスで成り立っています、Hシーンに期待するモノではないかと

10周年記念作品という事で、攻略可能なヒロイン数や、Hシーンの対象となるヒロインなど
やれる事は全てやろうという気概は見られる力の入った作品であると思います
ただ、何はともあれ攻略枠が19という事で、そこから考えられるであろう懸念事項も
全て持ってしまっているなかなかの問題作とも言える作品になっていると思います
それにしても、手軽に攻略していけるなら良かったのですが、妙な仕様のおかげで
どうも、攻略を埋めていくのも辛く感じるゲームになってしまっているのが残念なところです

このブランド特有の濃いキャラ付け、ぶっとんだ設定、ごった煮感が好きな方ならオススメ
ただ、攻略する場合は全員攻略を狙わず、お気に入りキャラだけ埋めていく方がよいかも
キャラが多い事に嫌な予感がする人には、諸にそのパターンなのでオススメはしにくいです


以下、ネタバレを含む感想です



【システム】
・画面は16:9のワイド
・アクティべーションあり、ディスクレス可
・キャラ別音声設定有り
・シーンスキップあり
・目安箱システム(ヒロインセレクト)
・エピソード毎の回想モード

システム面ではほぼ揃っているのですけど、一部性能が低く
このボリュームの作品をプレイするには不足を感じるモノになっています

さて、この作品の評価を大きく下げている気がしないでもない目安箱について
過去作でも、複数のエピソードから3つを選択できるチャプターがありまして
今回も同じ手法を取っており、ついでにそれがヒロイン攻略につながります

ただ、幾つか融通の利かない仕様があり非常に面倒な事になっています
・1度のチャプターで3回絶対に選択しなければならない
・ヒロイン全員が一度のチャプターに登場できるわけではない為
 チャプターによっては選択できないヒロインがいる
・ヒロインの選択状態により以降のチャプターの目安箱に影響を与える
・このパートではシナリオスキップが効かない

各キャラクターが関わるエピソードを3回見たキャラとEDになります
しかし、問題点はその条件をあっさりと意識せず複数満たしてしまうこと
条件を満たした場合は優先度の高いヒロインがエンディングになります
ただし、同時攻略できるヒロインがおり、その場合は途中の選択肢で分岐可能
しかし、特定のヒロイン以外は同時攻略できず、その組み合わせは正直不明

適当に攻略してもある程度はヒロインを攻略することもできるのですが
サブヒロイン一人に絞った場合は他のヒロインを意識的に選択しない等
意識して攻略していかないと狙ったヒロインは攻略しにくかったりします

一度のチャプターで登場できるイベント数は限られている為
そこまでに満たした条件次第では攻略中のヒロインのイベントが見れない
別のチャプターに分岐してしまう可能性がある仕様になっている為です
狙ってヒロインを攻略しようにも、満たさなければならない3つのイベントが
組み合わせ次第では登場せず攻略不能になってしまうと言う困った仕様です

あえて言えば全ての問題点は3回の選択肢強制に掛かってきます
目的のヒロインのエピソード以外スキップすれば分岐の罠に掛かりませんし
そもそも、優先順位を意識してシナリオを攻略する必要もありません
ゲームの仕様から同じエピソードを何度も見る必要もなくなるわけですし
絶対何処かに分岐させる為だと思いますが、3回強制はマイナス点が多いかと

文句が多いですが、それだけこのパートに感じた不満が大きかったということで
正直ココがスマートになるだけで、感想がかなり変わったと思うのですけどね

一応同時攻略可能だったヒロインを気付いた範囲で

・徳河吉音/徳河詠美
・水都光姫/八辺由佳里
・遠山朱金/長谷川平良
・鬼島桃子/刀舟斎かなう
・仲村往水/大江戸探偵団
・眠利シオン/大神伊都
・佐東はじめ/越後屋山吹


エピソード回想にはHシーンの回想も含まれます
前後の話も含まれる為にHシーン鑑賞としては使いにくい印象です


【シナリオ】
攻略キャラは19人という時点で個別シナリオに期待する人も少ないでしょう
ほぼ一本道のシナリオに各ヒロインのエピソードが所々挿入されるていどで
あとは、エンディングの一部と、エピローグで各ヒロインの結末という程度
目安箱で繰り広げられるイベントとあわせても1人2時間もないボリュームでしょう

比較的扱いの良いヒロインは7人程度(CG枚数で判断した場合)いますが
それにしても殆どのヒロインの最終シナリオになる第5幕の差分量が
その他ヒロインと比べると多少量が多い程度になっています

メインに当たる2人のヒロインだけシナリオが延長され、他より長く書かれます
その為、そこをメイン2人のシナリオと考えるとこの2人だけ長めとなります
この2人のシナリオはほぼ共通で、Hシーンや一部イベントが挿し変わる程度と
個人単位で見てしまうと非常に微妙な扱いのシナリオになってしまっています
どちらにしろ、ヒロイン個別に期待すると物足りなさを感じる作品かと

シナリオのスキップと繰り返される目安箱作業でだんだんと日常シーンが死に
印象に残るのが第4幕と第5幕の悪役との諍いというのが皮肉なところです
結果的に駄々をこねる朱金や場を引っかき回す伊都が印象に残るのですけど
あと、シオンさんが単なる負け犬にしか見えなくなったりするのも印象的です

戦闘要因でないサブキャラは本当に目立たないのも困ったところです
実は攻略仕様を知らず下から目安箱を選んで刀舟斎ルートになったのですけど
Hシーンになだれ込むまで誰がヒロインなのか自覚していませんでした、ハイ

目安箱の内容の殆どは、解決して欲しい事件があるのですから当然ですが
毎回何か悪巧みや後ろ暗いことをしていて、それを解決するというのが殆どです
時々、恋愛トラブルなどの微笑ましい事もあるのですけど、立ち絵が同じなので
お前、さっき詐欺働いていたチンピラの1人じゃないか!真人間みたいな顔しやがって
という悲劇もあったり、まあ、それ以前に物騒すぎるイメージしかわかない世界です

共通ルートで、悪巧みするお偉いさんに属する学生や大人を扱っておいて
目安箱で個人間の嫌がらせ、やたらと登場頻度の高いチンピラが迷惑をかける
どれだけ治安が悪い街なのでしょうか、この学園島やらは……
この学園で育った学生はたくましいでしょうから、就職有利というのも頷けそうですが

シナリオで主人公がこの街が好きだからと語るシーンがありますけど
ここまで同意できない主張というのも中々ないです、いやだよこの街


シナリオ個別に対しては特に語るところはないですね
徳川吉音/詠美シナリオさえプレイすれば他のシナリオのネタが殆ど回収できます
殆どが雪那の暴走とそれをどうするかのエピソードに話が割かれているので
どのシナリオをやっても、ハイハイ校長校長、ハイハイ酉居酉居、ハイハイ雪那雪那
と言うのがシナリオに関する感想の殆どです、その間の個別も正直……という気分に

敢えて少々変わり種のシナリオをあげるとするとこんな所かなと

・徳河吉音/詠美:2人だけ更に1幕追加の特別仕様、ただお気に入りの方を先に攻略しましょう
・鬼島桃子:メインの次にネタバレ成分が多く徳河2人をプレイする前がオススメ
・逢岡想:やたら恋愛成分が多めに感じるので、とにかく戦うのが飽きた辺りにオススメ
・五十嵐文:ラスボスが違うだけでやたらと新鮮味が感じるのでヨリノブに飽きた頃に
・大神伊都:型破りキャラ故、決着方法などが面白く感じました……雪那さん……
・比良賀輝:飽きた頃にプレイすると雪那さんのピエロっぷりが楽しくなってきます

他は大体関わり方が違うだけかなという以上の違いは感じませんでした
メインシナリオは一応差別化はされていると思うのですが、上の面々も含めて大体同じです

あとシナリオスキップする間に印象が薄れていくのですが
パートナーとなる吉音は、もう少しどうにかならなかったのですかね
タダ、食べて寝て好戦的に厄介毎に首を突っ込むだけという事で
どこのジ○ンプ系主人公ですかと思いたくなるようなキャラです
良心的である部分や他人を慮れる部分はあるのですけど
基本は何か世界観的に許されている子供と言う感じですね

そもそも、この世界自体子供の集まりであって、やたら酷いことしているのに
寛大な処分で流されているようなところが多いのですよね
この辺りの世界設定に突っ込みを入れてもしかたないのかも知れません
結構重要な部分の気もしますがしかたないのかも知れません


【Hシーン】
徳河吉音:1
徳河詠美:1
水都光姫:1
遠山朱金:2
朱金+真留:1
逢岡想:3
鬼島桃子:2
子住三姉妹
→唯:1
→由真:1
→結花:1
→4P:1
銭方真留:1
長谷川平良:2
佐東はじめ:2
仲村往水:1
五十嵐文:2
眠利シオン:2
大神伊都:1
刀舟斎かなう:3
大江戸探偵団
→八坂平和:1
→久慈信乃:1
→甚内つばめ:1
→4P:1
八辺由佳里:1
比良賀輝:3
越後屋山吹:1
柳宮十兵衛:1
由比雪那:1
飛鳥鼎:1

立ち絵のあるヒロインは全員Hシーンはあるモノの
数は少なく1人あたりは1~3シーン程度となっている
またこの回数がヒロインのシナリオによる重要度や尺に依存するわけではない
(なによりメイン格と見られるメンバーの半分が1シーンである)
複数プレイを行えそうな組み合わせは原則複数人プレイもフォローしており
考えられるHシーンのパターンは殆ど試されていると思って良い

プレイ自体は前戯→本番というお決まりパターンが殆どであり
複数回あるヒロインは最初の1,2回では最後まで行かないパターンもある
対して1シーンのヒロインは前戯から本番までフォローするなど尺が長め
どちらにしろHシーンのボリュームに期待するのは弱い作品かと思います
これだけフォローした事に拍手を送るべきなのかも知れません

攻略対象から漏れている3人はどれもHシーンとしては中途はんぱ
十兵衛は妄想、雪那は前戯だけ、鼎は主人公以外と前戯のみ
一応Hシーンをフォローしてるのみで満足出来る内容ではないかと

しかし、他の2人はともかく雪那さんと本番ないのは特に理由ないよな


【全体通して】
全部目安箱が悪い気がする……酉居ではないですが目安箱はシステムとシナリオ的に悪かなと
気合いは見られるのですが、明らかにシステムで仕様で首を絞めているような作品です
もう少し、全体的にプレイしやすかったら、薄いなりに凄い数のヒロインが攻略できる作品
という感じで楽しみ方のわかりやすい作品にになれたのですけども
これでは、ヒロインが多いから、薄く、攻略面倒で、スキップ遅く時間が掛かる
面倒さが先立つ作品となってしまっているように思えます

だれる仕様故に、各ヒロインのシナリオを見るのも適当になり、印象が殆どありません
私の適正、好みもあるでしょうけど、薄さを誤魔化している印象ばかり強くなりました

贔屓するヒロインをもう少し削って、全員EDを用意するにもサブとしてアッサリ
贔屓したヒロインは一般ゲー並みの濃さを持たせるぐらいの方が良かったような気もします
わざわざ独立したヒロインとして扱って同じシナリオのパターンに嵌らせる理由は薄いですし
まあ、この辺りはコンセプトそのものの否定になりかねないので、個人的な妄想として

個人的には、もう少し足回りが違えば薄いなりにお祭り作品として楽しめたのに
その辺りを怠った為に、やたらと面倒で、作業ばかり頭に残るゲームとなった印象です
素材としては良くも悪くも個性的なヒロインや、何でもありな舞台など悪くなかったのですが
調理の仕方はともかく、最後の仕上げを怠った為にどうも印象が悪くなったなと言う感じです


ただ、これだけのヒロインに対してED、あるいはHシーンを用意した気合いは素晴らしいかと
まあ、逆にそれがこのゲームの駄目な部分に繋がっているのが問題ですけども……
何度も言いますが、もう少し洗練されていたら印象が違った作品なんだろうなと思います

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