
攻略対象となるヒロインは3人、選択肢2つで分岐する単純構造です
ボリューム的にも控えめでお手軽に楽しむ事に特化した作品です
カルテットを題材にしているもののそれは舞台設定に過ぎず
音楽に関する話自体は雰囲気以上のモノはありません
良いとか悪いとか調和がどうとかそれっぽいコメントがされるだけで
男女が集まって活動していくというのに適した環境だった
とか、色々とゲームとして都合が良かった以上の必要性は見えません
音楽の専門的な何かを期待するとしたら物足りない作品です
難しい事は考えず雰囲気とヒロイン達との青春を楽しみましょう
お話のポイントというのが、過去を如何に乗り越えるかというところ
尤も、そこすら簡略化され、最低限の説明しかされていません
取りあえずそんな感じの設定だから察しろみたいな部分が多々あります
よくあるお約束を読む能力に頼っているような気がします
この話で一番重要な部分であるところの春花の存在の大きさが
登場人物程感じ取れず、終盤まで夏海との差別化に戸惑ったほどでした
その辺りでどうしても置いてけぼりを受けましたがその辺も含めて
解った上で気楽に流してプレイするのが正しいスタイルなのではないかと
あと、本人も自覚しているとおり中途半端に反抗期な性格も好みけそうです
あまり重要な部分でもないので生暖かく見守って上げてください
お手軽に楽しむ、或いはヒロインが可愛ければ良いと言う方には問題なく
カルテットの設定や、過去に関するシリアスな話を期待すると弱いかなと
深く考えずあっさりとプレイできるのが何よりの魅力という感じになっています
プレイ時間が結構短いので、ヘビーなのに疲れた方にも良い作品ではないかと
以下、ネタバレを含む感想
【システム】
・画面は16:9のワイド
・キャラ別音声設定有り
・前の選択肢まで戻るあり
・次の選択肢へ進むあり
・TURBO設定有り
・シナリオセレクト有り
TURBOは音声が早くなります、これは少し用途が読めませんでした
シナリオセレクトはプロローグと各個別ルートの頭だけです大体揃っているのですが、一番欲しいのは次の選択肢に戻るでしたがなかったです
メインヒロインの夏海はシナリオがロックされているのですけど
選択肢が3人中一番先に出る選択肢でルートが確定する為に
結局シナリオセレクトがあっても役に立たないのですよ
微妙にかゆいところに手が届いてない気がするのですけど何か見逃しました?
はい、見逃していました左上のメニューの「進行制御」に「次の選択肢へ進む」があります
先に言ったとおり夏海にのみシナリオロックがあります、多分他2人をクリアした後です
【シナリオ】
かつて学園を賑わせていた伝説のカルテットだったが、その1人が欠け解散してしまった
メンバーの1人であった「野々宮彼方」はバイトに明け暮れ音楽から離れていました
両親の失踪により苦しい生活と言う事があった者の、音楽活動を避けていた為
彼の持っていた特待生の資格が剥奪されそうになり、学園に在籍するのもピンチに
そんなわけで、何とか学園に野々宮彼方が健在であると認めて貰う為に
かつてのカルテットのメンバーが集結して演奏をすることで学園に判断して貰う事に
しかし、かつてのメンバーの1人春花はおらず……双子の妹夏海の協力を得て
なんとか第一関門を乗り越えるも……
と言う形でひとまず山を越えたモノの本番の卒業式の演奏に向けて問題が起きます
■一桜
マイペースな性格のかつてのカルテットのバイオリン奏者
メンバーを引っかき回すような言動で雰囲気を和らげてくれる
一般的には悪友ポジションにいそうな役割を果たすヒロイン
部活から離れていたモノの、練習は欠いておらず、情熱は本物
色々と器用な事が出来て、他ルートでは役に立ってくれます
彼方、春花、夏海と幼馴染みで特に春花とは親しかった様子
過去に春花の事について彼方とわだかまりを持って今に至っている
特に気にしていない風を装っていたが、とある事実を知り大きく揺らぐ事に
夏海でも語られるのですが、春花の死を乗り越えるお話になります
こちらの乗り越えるのはそのまま春花との別れを意味しているように思えます
桜シナリオは一番最初に入るシナリオなので、設定紹介的な部分もありますね
ところで中盤の問題児達の流れって必要だったのかしら
しかし、表面上クール系キャラでないのは解りますが
もう少し桜とイチャイチャした話を書いて欲しかったですね
こう爆発した後すぐにシナリオ終盤に至る為、モノ足りません
■野々宮藍
彼方の妹で、重症レベルのブラコン、愚妹タイプで
兄である彼方に対してシスコンであるように願っている
基本はハイテンションなムードメーカーというところで
そんな騒がしい娘であるモノのヴィオラの実力は確かで特待生
普段はベタベタくっついてくる妹に強くなれない兄という感じだが
藍の願いが通じたか藍ルートではいきなりシスコンに覚醒して
強くなれないどころかアマアマの兄になる事になってしまう
お話としては春花に関してはあまり深く語られず
複雑?な家庭環境に関する話になってきます
妹との関係はどちらというと実の父とか妹の話に奪われ言及無し
そもそも家族設定の複雑さもこの話を作る為に用意された
逆算的な設定な気がしてどうにもうーんという印象です
お話としては特に奇を衒うでもなく定番に収まる感はありますし
若干落とし目の桜シナリオよりも軽く読める話になっています
基本的には愚妹の藍と実妹の遥の可愛さを楽しむ話です
あ、愚妹は愚妹的な意味で愚妹てあり、本来の意味とは違う場合があります
■悠木夏海
ロックされたシナリオという事でメインヒロインになります
カルテットの春花の妹で同じくピアノ担当、努力かであるモノの
天然系の天才である春花と実力に差がありそれがコンプレックスに
かなり駄目なぐらい彼方に惚れているが、春花への想いに気付いており
と、二重の意味で春花は越えられない存在として立ちふさがる事に
体験版中の予備審査の時は春花のコピーをする事で乗り切るも
互いに春花を乗り越える為に、夏海の音で挑もうとするも……
という定番の流れはあるものの、基本の流れは3ルート中一番の
バカップルシナリオという事で認識は間違っていないと思います
クールキャラらしいですが、共通ルートはもちろんの事個別になると
スーパークールビューティ(笑)というかんじの娘です可愛がってください
最初に語ったとおり春花と夏海の違いと春花の偉大さが解らなかったのは痛手
もう少し差別化できるような何かと、大きさを感じられるエピソードが欲しかったです
その辺り長く語ると陰鬱とするかも知れませんけども、流石にこれは足りない気も……
しかし、時間ギリギリに最後の駆けつける流れは3シナリオ全部でやるのは
なんていいますか真奈先輩を虐めたくて仕方がないのですね……と
別に現実離れした展開をどうという気はないんですけど、最後のあれ必要カナー
■多々良真奈
天才でも幼馴染みでもないのは解りますが、一番攻略したかったです
【Hシーン】
悠木夏海:3
一桜:3
野々宮藍:4
このプライスで頑張っているかなと見せかけて
各キャラおっぱい触るだけ、口でするだけ、自慰するだけとかるので
実質1人2シーンぐらいです、CGはそれなりにあるモノの濃くはないです
【全体通して】
設定はキャラを動かす為の舞台を作る為の飾りです気にせず青春しよう
と言うぐらい軽いノリで楽しむ作品かなと思います、細かい所を気にすると微妙です
設定が都合良く作られすぎな気もしますが話の単純化にはこれぐらいがよいのでしょう
むしろ、それぐらいの気軽さ手軽さを望んでいる人の為の作品でしょうか
ヒロインはどれも定番ながら抑えるところは抑えたヒロインになっています
桜についてはもう少しイチャイチャしたい部分があったのですけども、他は充分
基本ヒロインが気に入ったなら問題なく楽しめる作品ではないかと
音楽の設定が前に出されていますけど、天才の文字で全部省略するような流れです
こちらについては、4人組を作るのに都合が良かったからと流す程度がよいでしょう
主人公からして、特待生だけど音楽はやらねーよと意地張っているキャラですし
そこからの再生を丁寧に描いていくほど尺があるゲームでもありませんからね
挫折からの復活という流れ以上の何があるわけでもないです
別に都合の良い男女がつるんで目標に迎える設定があれば音楽であった必要も無いでしょうし
そう考えるとこのカルテットの設定というのはこういうのに向いた存在なのですよね
よって、あっさり風味のゲームを求めている方に向いた作品かなと思います
ただ、単純化が徹底しすぎて逆に物足りなさや喰い足り無さを感じるかも知れません
その辺り含めてハニカム文庫というレーベルなんだなという事で1つ


