
同じ長屋に住み、いつも一緒に行動する、仲良しの幼馴染み6人組
「新田二見」を除く5人は特待生として更衣学園でも注目を集める存在
対して明確な夢、才能を持たない二見は5人をフォローする立場でした
そんな目立つ彼らを快く思わない人間もいると、担任から忠告される二見
彼らを納得させるには、一ヶ月後に迫る「月詠祭」で一定の成果を見せること
そんなわけで、二見は月詠祭の成功を目指し仲間達をフォローすることになります
君は生き延びることが出来るか?
ゲームはMAP選択と選択肢でシナリオが進む普通のADV
ヒロインは4人+αで、α要素がかなり多いゲームとなっています
メインルートを攻略するだけならマップで目当てのヒロインを
オンリーの選択をするだけでよいです、多少嵌めもありますが
常識の範囲内にて選択すれば問題となることはないでしょう
それだけではコンプリート出来ないため多少攻略要素あります
基本関連あるヒロインを追っていけば回収可能とはなっていますが
シナリオは前作の例がありますが今作ではそこまで身構える必要は無いと思います
始終ライトなノリとは言いませんが、大きく影を落とすような展開はありません
プロローグからしてファンタジー要素が強いですが、メインヒロインでもファンタジー要素が
全く関わらないシナリオがあり、そちらになると普通の学園での恋愛モノと言ったノリです
良くも悪くも前作ほどのインパクトはなくなっており、酷く人を選ぶ事もないでしょう
ただ、ヒロインと言いますかEDが多い分、各シナリオの展開が駆け足気味なのも気になります
サブシナリオ等のお遊び要素は好きですけど、メインをもう少ししっかり書いて欲しかったですね
そんな感じで、シナリオよりもヒロイン重視のキャラモノとして見た方が良いかもしれません
ナツユメナギサとは大きく雰囲気が違う作品となっていますので、変に怖がらず
体験版の雰囲気が合うか合わないかで、判断してしまっても良いのではないかと思います
以下、ネタバレを含む感想です
前作「ナツユメナギサ」からはかなり毛色の違う作品になっています
過去の記憶はリセットして、体験版の印象のまま楽しめばいいでしょう
シナリオはヒロイン毎に傾向が違い、バラバラな印象を受けます
各シナリオとしてみるのはともかく、1つの作品としてみると弱く
各ヒロインの魅力を楽しむキャラモノとして本領を発揮する作品です
変に身構えず、気に入ったヒロインを楽しむと良いでしょう
【システム】
最近は買ったゲームの半分はワイド画面です、これもワイドです
システム的には「前の選択肢に戻る」がある程度です
コンフィグによるキャラ別音声は立ち絵有りならほぼ個別設定可能です
攻略要素が微妙にあり
ヒロインを一度クリアしてもう一度攻略すると特殊なHシーンが追加
「羽々音翼」シナリオ攻略で「相田奈々子」
「新田いちか」攻略で「富良峰英子(藤堂桂子)」
「藤丸命」攻略で「霧島冬理」
が攻略可能になります、冬理のみマップで選択
奈々子もマップ上に登場しますが日常EDしか行きません
翼を攻略後、翼シナリオをプレイすると派生します
シナリオ全部をクリアし、プロローグを飛ばさず始めるとTRUEシナリオになります
【ヒロインとか】
ネタバレの意味でメイン勢では沙弥の攻略を最後にするべきでしょう
と言っても、他のシナリオに何か影響を及ぼす設定でもないので
盛り上がりを考えると最後にやった方が良いのかも知れません
他は特に攻略の順番などは気にしなくても良いかなと
■遠藤沙弥
女性ながら軽口をたたき合えるノリのよい相棒のような存在
二見の過去と瞳に関する話し以外はほぼ全てこちらで明かされます
故にヒロイン的には一番最後にプレイするのがよいでしょう
プロローグがアレですので、それを語るシナリオは一番ファンタジーなワケです
そんなわけで、後半の急展開は結構好みが別れるところだと思います
ただ、そこに至るまでの展開のイチャイチャ度は全ヒロインでも随一です
キャラとして気に入っていたら終盤までは少なくとも楽しめるかなと思います
また、このシナリオが楽しめるか否かがこの作品の評価を分けそうかなと
■羽々音翼
幼馴染みグループの中でも特に学園で人気の高い外見の良い女の子
内面では二見に好意を持ち、近づく女性全て危機感を覚えていたりする
シナリオ的にもヒロイン的にも代表のような女の子、ファンタジー要素は弱い
その分普通の恋愛をして、普通に特待生として月詠祭に当たるわけです
ライバル的な存在や、奈々子のエピソードも語られるのですけど
その流れからこういう終わらせ方するのかなという感じです、なんだか納得いかない
エピローグも含めて説明不足な気が、終盤に駆け足になるのはどれも同じですね
それとは別に、私の感じたヒロインの魅力は活かされることはなく
可愛いヒロインではあるのですけど、結果オーライで良いのかな
その辺りは個人の好みの問題なのですけど
■相田奈々子
マップ上に登場する奈々子さんを選択してもノーマルに行くだけです
翼クリア後翼ルートから派生するシナリオ、あくまでサブキャラですね
翼シナリオ本編で少しだけでる奈々子の設定の補完的な意味合いがあります
HシーンとEDビジュアルまで用意されているのでフォローとしては充分かと
■新田いちか
ちょっと反抗期な妹に見せかけて……ストレートなお話です
中盤で表面通りに言葉を捉えて快く送ってあげたらBADに直行しました
沙弥と並んでファンタジー要素が強く絡むお話ですが
こちら日常要素と良い感じに混ざってるかなと思います
内容自体がかなりシンプルで葛藤も解りやすかったからかも知れません
結末はなんだか納得できるような納得できないようなお話でした
全体を見ると個人としては一番、楽しめたシナリオでした
■富良峰英子(藤堂桂子)
たまにはこういう結末も良いかもしれません
沙弥と並んでファンタジー色が強いシナリオ、ってそう言う問題?
遊び心のかなり強いルートになっています、要はおまけです
Hシーンで英子と桂子で分岐、シーンはないモノの一穴さんも……
一穴さんを選択するかは個人の裁量と言うことでお願いします
エピローグ自体はいちかが持って行きます、一応救済されてるんでしょうか
■藤丸命
美術の特待生、基本しっかりした娘なので、二見の存在意義が
翼と同じくファンタジー要素は殆どありません
王道の家族ネタで、故に安心して楽しめる展開、インパクトには欠けますがね
ここではイヤな子の役目を担っている冬理は冬理シナリオでフォローされます
ヒロインとしては黒髪ってだけで個人的には勝利で、一番のお気に入りです
■桐島冬理
命からの派生、他のサブヒロインと同様おまけ的な部分はありますが
こちらは設定の補完にもなっているので他より比重は大きいかと思います
命を虐めた相手として苦手意識を持つ方もこのシナリオを見れば
考えを改めることになるかも知れません、単純とか、現金とかいわないで
■TRUE
全ヒロイン攻略後、プロローグを飛ばさないと登場するシナリオ
最初の気になるヒロインがここで漸く意味合いを持ちます……
逆にココまで来ると選ばせる必要があるのか逆に疑問ですけども
仕掛け上、最後ですが、設定的には沙弥ルートの方に需要度が高いです
瞳の夢、二見の夢、タイムカプセル、と残った伏線回収が行われます
途中でハーレムに持っていけそうな美味しい展開があるのですけど
お話としては二見の夢へ重点が置かれています、何て時代でしょうか
エピローグでみんな同じ場所という話をやっていて最後に登場するのが
最初に選んだ1人だけというのは少々どうかなと思う演出です
【Hシーン】
・沙弥:4
・翼:4
・いちか:4
・命:3
・奈々子:1
・英子:1
・桂子:1
・冬里:1
メインヒロインのHシーン中1シーンは
二週目でないと見ることが出来ません、コスプレなど多少特殊です
他は基本的にノーマルなプレイをするだけになっています
全体的に早い気がします、濃いのを期待すると弱いでしょう
【全体通して】
正直、ファンタジー要素が他と食い合わせが悪いのでは?と思う作品
最初のモチベーションでありながらやがてフェードアウトする特待生制度
更には沙弥の設定が故、6人を強調しながら描かれない集合絵と
一部ヒロインのシナリオのネタとして活躍しているのはともかく
他のシナリオ展開を不自由にしている部分もいくつか見受けられました
シナリオでも沙弥といちかは必須ですが翼や命はほとんど必要ない要素で
いくつかあるシナリオ展開の1要素に過ぎない存在となってしまっている
そのくせ他のシナリオを縛ってしまっているとのではないかと思うわけです
個別では攻略対象+サブキャラという感じになってしまい
折角共通で描いた仲間関係が殆ど描かれないのが気になりました
正直、月と腕輪、月詠祭、仲間達、隠された二見の夢
どれも上手く混じり合っていない、別々の要素になっている印象です
もう少し月詠祭なり腕輪なりでシナリオに統一性があっても良かった気が
全体を見るとちぐはぐな印象がありますけど
個別単位で見ると多少駆け足ではあるモノの纏まっていたかなと
その辺りの力加減を含めてもう少し絞ってやることを欲しかった作品です
メインヒロイン4人全て魅力的でしたし、サブヒロインのフォローも多く
キャラ方面では良かったです、ヒロインに魅力を感じたなら楽しめる作品ではないかと


