
戯画の「bitter smile」の感想です
絵師であるねこにゃん氏がシナリオも担当した本作果たして?
ゲームは普通のADV、ヒロインは4人で隠しとか攻略不能とかはなく
選択肢もイベント選択でのみ起こり、そこで攻略するヒロインを選べば
特にイベントやCGの抜けもなく埋まっていくというシンプルな仕様です
お話は素直になれないヒロインと鈍感な主人公の恋愛モノでしょうか
一応、学園が舞台ですけど受験生であり学園生活の色は少ないかなと思います
故に学園、学生ならではのイベントは殆ど存在しない感じになっています
どちらかというと、轟木家と矢崎優を中心とした日常に重きが置かれています
よって、全体的に学生らしい青春を謳歌しまくるお話ではないので
そちらの方面を期待すると弱い作品かなと思います
その辺り雰囲気を見れば何となく解る部分であると思いますが
そんな感じで雰囲気とキャラが気に入ればという感じの作品でしょうか
以下、ネタバレを含む感想、多少ネガ気味
色々と物足りなさを感じる作品
全体的に萌え重視作品となることを避けているような印象を受けるが
その回避した萌えの代替となる要素がこの作品に存在するかというと疑問
シナリオは設定と伏線が活かされていない部分が多く小さく纏めた印象
雰囲気やヒロインのキャラなどは良いのでそう言った空気が楽しめるならアリ
ちょっと深いところに踏む込むことを期待するなら物足りない作品でしょう
【システム】
安心、安定の戯画、不満となる部分は無いと思われます
ただ、相変わらずシュビ、シャキーンって感じのバルドなSEは
下町を舞台にした作品としてはどうなんだと思うのですが重箱の隅
回想モードにイベントの回想があり、いつでも見ることが出来ます
選択肢はイベント選択という画面で目的のヒロインを攻略すればよし
特に攻略制限はないと思われ、ストーカーすればイベントも完全に回収できます
【シナリオとか】
「ときめきに素直になれない」ということで
素直になれないヒロイン達と、素で気付かない鈍感主人公「矢崎優」のお話
良くいる(た)、無気力無目的無神経な鈍感タイプの主人公ですので
こういったキャラが苦手な方はとことん合わない感じになっているかと
所謂、萌えゲーとなればある程度その辺りスルーされて語られるのですが
そうではないのでヒロイン含めた女性陣から色々と言われているのです
1人ぐらい無条件で応援してくれるサブキャラ辺りがいても良かった気もするのですが
そういった部分はないので、余計駄目な感じに拍車が掛かっている印象
正直こういった作品の主人公としてどうなんだろうと思わなくもないです
また、サブキャラの多くが上手く使われていないような印象を受けます
例えば妹はシスコン気味の優を煙たがるというキャラなのですけど
正直それ以上の機能がないのですよね、優を駄目男に見せる役割?
だとしたら必要なのかなと、沖奈恵辺りも立ち位置として中途半端ですね
それなりにサブキャラは存在するモノの全体的に存在意義の怪しいキャラが
下町や学園を演出するキャストとして存在するのかも知れませんが
その辺りがそもそも描写不足なのですよね、もう少し踏み込んで欲しかったです
■轟木桜子
おそらくメインヒロイン
告白をした主人公を振った過去がある……というのが最大のポイント
なのですけど、大凡想像したとおりの結果となっていました
告白イベントの流れは何かもう色々と○○だなと思ってしまったり
しかし、デレてしまえば流石のメインヒロイン、このまま最後まで
と、思ったらメインらしくもう一波乱存在したわけですけど
いえ、この展開どうなんですか
■宮津橋勇樹
ラスボスと思ったら特にそんなことはなかった
登場時の謎めいた言動と突然のキスが一番の見せ場だった気がしないでもない
章を重ねる事にただの気むずかし屋さんなだけではという印象が増えたり
序盤から道中に至るまで伏線が張られまくる如何にもなヒロインなのですけど
その殆どがそのまま放置されて、気むずかしい少女の難儀な恋愛話が中心に
終わってみたら知りたい部分が殆ど知らされないまま、スタッフロールが
デレ後の落差という意味では期待通りだったのではありますけども
短いですし、設定上手く使えばもっと盛り上がりそうでしたのに残念でした
■轟木要
体験版時点でヒロインとしての存在意義が怪しかったのですが
本編でも、3姉妹全員をメイン格にする必要がなかったのではという感じに
学生と社会人というのは中々会えないというのを共通シナリオで教えてくれます
定番の波乱があって結ばれてからは特に第二の波乱らしい波乱もなく
そのままイチャイチャだらだらしながら結末を迎えることになります
故に全ヒロイン中最多のエロとなります、3回ですけどね
■轟木みい
正直一番好みかも知れません
とある事件から惹かれて、それらしい態度を示しつつもキャラ故に素直になれない
特にコレと言ったイベントはないんですけど、キャラを楽しむことを考えたとき
一番ストレスなく楽しむことが出来たヒロインというのが大きいでしょうか
体験版の時点から気に入ったヒロインだったというのもありますけど
ある程度素直なヒロインの方が個人的には良かったなというお話です
【Hとか】
桜子:2
勇樹:2
要;3
みい:1
それなりに尺はあるモノの、期待するなと言うことで
しかしよりによってみいが1回だとか
【全体通して】
正直元からあった構想からかなり削られたのではないかと思われる内容です
重要な部分であるはずの勇樹シナリオの伏線の未回収を始めとして足りない部分が多く
学園祭、祭などイベントとして見せて欲しいところが軽く流されること
メインではないとはいえ学園部分についても下町部分についても薄いこと
多彩なサブキャラ達が一部を除いて殆どシナリオ中で機能していないこと
正直、足りない部分をごまかすため無理矢理纏められた作品という印象が強かったです
作品として完全に破綻していると言うことはないのですけど
全体的に物足りない、食い足りない内容であると感じました
イチャラブ成分が足りないのは作風として片づけるとしても
その代わりに何かこの作品ならではの尖った部分があるわけでもないのですよね
素材やキャラ最初のつかみは良かったのに……という感じの作品でした


