
それはともかく、130cmの新作「鬼うた。」の感想になります
ヒロインと言いますか登場人物が全員黒髪であると言う
日本を舞台にすることが殆どであるはずの美少女ゲーで
何故か珍しい設定が目を惹き、嫉妬、修羅場を強調していたこの作品
果たして、どのような作品に仕上がっているのでしょうか
ネタバレ分が強めなので、注意してご覧ください
システム周りについては体験版と殆ど変わらず
基本はVisual Artsのアレですが、画面が1280×720となっています
フルスクリーンでワイド対応でなくても全画面表示できますが
絵や文字はその比率に対応しておらず、形が崩れてしまいます
一応、画面構成自体はディスプレイがワイドでなくても1024×768なら
ゲームを進めるのに、支障がないのですけど少々不便を感じますね
まあ、必要スペックは満たしておかない私が悪いのですけども
攻略対象は姫歌、ハル姉、アヤ姉の3人です
暦が実は……というサプライズはありません
選択肢が数回出てきて、ハル姉よりか、姫歌よりかで
シナリオが分岐します、選択肢を選んだ直後で軽く分岐するモノの
基本的には個別突入までは一本道の共通シナリオとなってます
完全に個別分岐後は、かなりハイペースではなしがすすむので
2周目のルートはかなり早く終わるのではないかと思います
2人のシナリオ攻略後、「かみさまのつくりかた」が出現します
姫歌の過去話から始まり、メインシナリオに合流、アヤ姉シナリオに分岐します
実質、このアヤ姉シナリオが最後のシナリオとなっています
( とりあえず隠しておきます↑)
攻略順は姫歌とハル姉については自由に進めて良いですが
ネタバレ度やショック度的な意味で言えばハル姉→姫歌がおすすめです
【シナリオについて】
シナリオのあらすじに書かれているような嫉妬によるだだ甘え合戦は
共通シナリオの前半を説明しているにすぎず、本質ではありません
中盤ともなれば、ある程度の節度を保ってヒロインはつきあえており
基本ほのぼのとした雰囲気でシナリオが進められていきます
どちらかというと、序盤~中盤のほのぼのした雰囲気から一気に落とす
終盤の展開がこのシナリオの一番肝となるべき部分なのだろうと思います
その展開は多くの人が待ち望む嫉妬が嫉妬を呼ぶヤンデレ展開ではなく
どちらかというと伝奇ホラーと言った部類のお話に感じてしまいました
その途中で主人公やヒロインが病んでしまうと流れがあり
一部のヒロインは凶行に走ってしまうモノの「ヤンデレ」とは言い難い流れです
「ヤンデレはかくあるべし」という意見は個人的に持っていないつもりですが
この作品をそういうベクトルで期待するには厳しい内容と言わざるを得ません
恐らく一番それらしい行動を取っているハル姉シナリオのハル姉でさえ
シナリオの異様な雰囲気の前には印象が薄く被害者という面が強いです
ハル姉シナリオの後味の悪さはかなりのモノで、キャラが気に入っている方は注意のこと
もう一つぐらい救済処置的なエンディングがあっても良いのではと思うほどです
残り2人は一部にしこりこそ残るモノの納得できるレベルの締め方かなと思います
ジャンルから、求められる流れを考えるとハル姉シナリオが正解なのかも知れませんが
個人的に超展開は覚悟していたモノの少々想像していたのとは違うモノでしたね
中盤までのほのぼのした雰囲気からのギャップと言う意味では予想の範囲ですが
ただ、そのギャップが所謂「ヤンデレ」に飛んでいくわけではないのが問題で
ディープな展開を期待した方にはどちらにしろ肩すかしになるのではないかと
【ボリュームにつきまして】
一部で足りないと言われているボリュームについてですが
共通シナリオが個別に対して長いのがその感覚を加速しているのではないかと
だからといって、実際シナリオが長いとは言えないのですけど
展開的にもかなりはしょっている部分があり、全体的にこぢんまりとしています
ヒロインが3人なのだから各キャラをそれぞれ濃くして欲しかったのですが
そんな感じで、フルプライスとしては割高感があるのは確かでした
【えちぃについて】
14シーンで半分以上が共通ルートで埋まります
姫歌4、ハル姉7、アヤ姉3とハル姉大活躍と言ったところ
アヤ姉は前戯レベルが2つですので実質1シーンですかね
ハル姉も一部アレなシーンもありハル姉ファン大歓喜とも行かず
そういいつつも、ハル姉が一番ボリュームあるのは確かです
結構フェチっぽいえちぃもアリ、特に髪ですよ!髪!と言う感じで、黙ります
全体的に、えちぃの濃さで期待する作品でないのは確かです
【まとめ】
一部の設定や展開は非常にアレですし、説明不足や尺の足りなさはあり
この作品を良く纏まった、良くできた作品とは非常に言い難いのですけども
話全体の流れや締め方としては個人的に好きな部類だったりします
そういう面もあって個人的な感触は決して悪くないのですけども……
暗いけど最後はなんだかんだで(一部を除いて)救われる話が好きならあるいは
逆に、ずっと序盤のヒロイン達による可愛い嫉妬合戦、ヒロインが病んで病んで凶行に走る
と言った展開を期待する方は厳しい内容ではないかなと思ったりします
流血沙汰のみが「ヤンデレ」であるとは思ってません、だからと言ってこの作品が
別のアプローチを書いているかというとさにあらずであると思います
添え物程度にはありますけど、メインであることは決してないと思います
どちらかというと姫歌を中心とした伝奇モノという認識が良いかなと思いました
終盤ばかりスポットライトを当ててますけど、シナリオの尺の大部分は
体験版部のノリそのままだったりしますのでそこは注意のほどを
しかし、感想となると実際終盤ばかりになってしまうほど個別が濃いです
序盤から中盤にかけてのノリと終盤のノリは、食い合わせの悪い組み合わせで
ほのぼの好きな方にとっても、鬱なのが好きな方にとっても人を選ぶ作品かなと
全体的な流れを見てそれでも興味がわくならやってみるのも一興かなと思います


