
【あらすじ】
全世界に魔力を持つ「魔女」の存在が確認されてから幾数年
呼び名通り女性のみが持つとことが常識と思われていた魔力を宿す少年「東雲蒼」が現れる
蒼は姉の計らいもあり、魔女たちの学園「国立御久仁学園」に入学することになる
国立御久仁学園は2つの塔からなる特殊な建物の学園と知られており
国内の学生が集まる「東学舎塔」と海外からの留学生が集まる「西学舎塔」に分かれていた
東学舎塔にも西学舎塔にも生徒会が存在して、行事などを取り仕切る役割を持っていた
2つの生徒会は新年度に通称「魔法生徒会大戦」と呼ばれる生徒会監査に参加することになる
勝利した方が大きな権限を得る為に、周囲の学生からプレッシャーを掛けられる立場となる
蒼はその意味がわからず前年度の会長によって、生徒会のメンバーとして選ばれてしまう
東塔の会長に選ばれた竜胆ほのかのリーダーシップのもと、学生行事として参加していく蒼達
しかし、西学舎塔の面々の必死な姿と、周囲の空気によりこの行事のもつ意味を知ることになる
蒼達、東学舎塔生徒会の面々は魔法生徒会大戦の戦いを通してえるものとは?
【システム】
・画面は16:9
・キャラ別音声設定
・前の選択肢へ戻る/次の選択肢までスキップ
E-moteなどはないですが、画面演出は小物やエフェクトを使って割りと凝っています
【仕様】
ヒロインは4人、ルートロックはなし、クリア後にサブヒロイン4人のシナリオも開放
選択肢自体はわかりやすいので、目当ての子を贔屓すれば自然と分岐出るかと思います
ヒロインクリア後にアナザーストーリー解放、サブは一人でもクリアすると全開放
メインのアナザーは攻略したヒロインのものが開放される仕組みになってます
メインのアナザーはHシーンに特化したもので短め、サブはミニシナリオとなっている
【雑感】
現代ながら魔法要素がある学園モノ……学園成分は少なく魔法生徒会大戦がメイン
西学舎塔の生徒会とは対立関係にあり、妙にライバル視してきたりとギスギスした部分も
いつものふわふわした優しい雰囲気の作風を期待すると引っかかる作品かもしれません
ヒロインも攻略対象のヒロインとして見るとどの娘も魅力的なのは勿論なのですけど
そうでないルートはヘイトを集める展開もあり対立構造からピリピリする部分があります
山場では結構面倒なテーマを取り入れており、作品の雰囲気を変えてきた感があります
そこが好みが分かれそうな展開となっており、合う合わないが出る部分になっています
いつもとは少し毛色の違う部分があり、その点で結構好みの別れる作品となるかと
以下、ネタバレを含む感想です
【ヒロイン】
■竜胆ほのか
学園を超え同世代でもトップクラスの才能とされる、名の知れ渡った炎の魔女
勉学面でも優等生であり、裏表のない明るく優しい性格で、資産家の娘という完璧人間
感動屋の面もあり、言葉に動かされやすいの難点で、気づけば東塔の会長となっていた
一葉とは親友であり、何かと一緒に行動しているが、蒼とも初対面から分け隔てなく接する
世間知らずで夢見がちな面もあり、恋愛小説などを好み、王子様願望を持っている
育ちが育ちなのか異性である蒼に警戒することもなく体を寄せてくる恐ろしい娘です
ナチュラルに甘えてきて、嫌味がない感じ設定通り優しい性格のヒロインになっています
そんな天然気味なほのかですが、好意を自覚してからのわたわた具合が可愛いです
一通りイチャラブをこなして、ほのかと仲良くなったのアイリスが再び塞ぎこむ展開に
アイリスを追い詰めてしまう、生徒会監査の成り立ちや対立の根本が語られるお話ですが
少しこのシナリオの大人は学生に干渉しなさすぎではないかなと思うお話になってます
自主性と言っても学生たちの制御が効いていないのは最初の結果から明らかですし
それが結論を急ぎ過ぎでも、マリアなら止める機械は何度となくあったと思うのですが
基本どのシナリオも、現状の対立構造はおかしいけど、研鑽の場としては間違っていない
と結論に至るわけですが、その論旨のメインになるアイリスの行動が二転三転するので
素直に、アイリスは生徒会監査を真剣に取り組んだ結果成長したとは言い難いかなと
一応最後の最後の最後で成長の兆しみたいな書き方はされるのですけど、結果論に過ぎず
こんな迂遠な方法でアイリスを追い詰める必要なかったと思うんですよねーという話
結局大人世代の特にマリアがどうにかするべきところで、何もしないというのは
色々飲み込んで行動しているとは見られるのですが、この結果を見ると博打しすぎなと
■アイリス・ラインフェルト
母親である学園長「マリア・ラインフェルト」に呼ばれ海外から留学してきた光の魔女
魔法としての才能はマリアすらも超えるとされるが、本人は非常に引っ込み思案である
基本はおとなしく、あまり人に強く言えない性格で、周囲に言われるままになっている
ただ、いい子ではなく、内心に不満は溜めており、思わぬところで爆発する場合がある
自分の意見を強く言えない、実行に移せないから強引な周囲の人間に流されてしまう
言えないから周囲に助けを求めることも出来ず、で自分をだんだんと追い詰めてしまう
追いつめられすぎた結果自己判断で暴走してしまうけど、いきなり上手く行くわけでもなく
と、コミュニケーションの苦手な子で終わるのですが、下手に力を持っているのが厄介です
基本的にどのシナリオでもアイリスが周囲のプレッシャーに押されて終始浮かない中で
笑顔や照れた顔が多く見られるだけでもかなり印象の違うヒロインとなってくれます
引っ込み思案で自分を表に出さないって、多くのエロゲだと欠点ではないですからね
個別からは西塔が舞台となり、他のルートではヒロインとしての立場すら危ぶむ面々も
鳴より一回りから二回りぐらい身勝手な性格なだけとフォローできるぐらいには……
シャリーは置いて、他の2人は自分の欲望に正直にやっている感じのあるヒロインなので
東塔と西塔でうまく対立構造が生まれずに空回りしてしまう傾向になるのですよね
そういう点はともかく、多少、印象を緩和できるかなというシナリオになっているかと
展開自体はほのかのそれに近いのですが、アイリスを支える立場に蒼がいるので
アイリスが一方的に追いつめられていくということはないです、順風満帆でもないですが
結局は持ち前の性格から先走ってしまうも、なんとなく周囲にささえられる感じです
ほのかルートでもあった、ほのかとアイリスの関係をピックアップした感じですね
全体的にほのかとの対関係を意識した感じでしょうが、ライターの違いは出てる感じです
■真名鶴一葉
竜胆ほのかの親友で幼馴染、古武術をたしなんでおり学生ながら高い集中力が培われている
その為、魔法のコントロール技術に優れ、その点では学年ではトップクラスの才能を誇る
基本的には真面目でゆるふわなほのかの代わりに生徒会をまとめる役を担うことが多い
ぬいぐるみなど可愛らしい物が好きのはご愛嬌とも言えるところでわかりやすい娘です
生徒会監査による障害というかギスギスした空気が最も少ないシナリオでしょうか
結果的に一番話をややこしくしているシャリーを止めることができれば自体は沈静化する
ということで、西塔メンバーはおとなしいモノの、ほのかの関係がメインとなっています
ほのかを支えているつもりで、実際はほのかの存在に頼りきりだった事に気づく一葉
いい関係のようで視点を変えれば……というのはアイリスでもある展開になっています
他ルートで、蒼が優等生過ぎると言われる場面もあり、一葉もその辺りが指摘されます
学生で若いんだから賢く生きようとせず、がむしゃらに行けみたいな裏の意図が見られます
しかし、その一方で責任やら何やらを問う展開も多く、学生身分に求め過ぎな気もします
大人の世代が頼れる存在なら良いのすが、筆頭のマリアが機能していないのが少し……
基本は、弱さも含めて一葉をかわいがるシナリオなのでキャラ萌えをメインとした話かなと
本作の構成としては比較的浮いている感じですが、ストレートな展開は素直に楽しめました
■神楽坂鳴
人気格闘ゲーム「Witch's Garden」の日本のトッププレイヤーである、雷の魔女
魔法使いの実力はコントロールを苦手とするが、必殺技のメイコレダーでの出力はある
何よりゲームが好きで、ゲーム部を創部するために、舞生の口車に乗り生徒会に入る
隙があればゲームをやっており生徒会を仮ゲーム部としてゲームを置いて遊んでいる
生徒会活動には真面目ではないが、勝負事が好きなのか生徒会監査には真剣に挑む
共通ルートである程度が好感度が上がっているのか、個別後はトントン拍子です
裸を見られたことで意識したのをマンガか何かかとと、セルフツッコミしていますが
チョロさを含めてヒロインの魅力です、アイリスルートでも引きずっていたりします
鳴のチョロ可愛いさと、ターニャとの奇妙な友情というリア充ライフが展開されて
一度の敗北から、リベンジを果たすという王道展開が繰り広げられるのですが……
ライター区分的に西塔勝利と東塔勝利でルートを分けているのでしょうか
というのはともかく、生徒会監査にもし負けてしまったらというのが後半の展開です
蒼の魔法が消失したことを含め、責任を問われたり、やたらと周囲の悪意が描かれます
ターニャの暴走によって学園の雰囲気も悪くなり、マリアも塩対応だったりと
胃が痛くなるような展開が続く、前半とは打って変わっての下げる展開が多いシナリオ
最終的には大山鳴動してみたいに半分は勘違いみたいな部分もあるシナリオなのですが
もう半分ぐらいは結果的に上手く言ったからお咎めがなかったようにしか見えない展開で
導入部のちゃらんぽらんさと相まって蒼くんは完全に大人たちのおもちゃになっています
ターニャは暴走するし困ったやつだけど、真剣に取り組んでるから否定はできないとか
周囲で無責任に文句言ってる奴はみたいには全体的に否定的な雰囲気が漂っています
必要なのは覚悟だったというのがこのシナリオで何度となく語られるのですけども
ターニャとアイリスは学園の雰囲気を悪化させる方向に吹っ切れている感じです
最終的に丸く収まったのは、鳴側が勝った為で、負けたら悲惨な結末なのがなんとも
■氷室舞生
去年の東塔生徒会長であり現在も学園最強と讃えられる氷の魔女
高い魔力とコントロール技術を誇り、去年の生徒会監査をストーレト勝利をもたらした
其の圧倒的な実力から「魔王さま」と呼ばれ周囲から畏敬の念を持たれている
あまり感情がこもらないしゃべり方と、無表情さで非常に真意が汲み取りにくい
とらえどころのない性格で、面白半分に東塔のメンバーが集められた感もある
その独特の人事は、よくも悪くも今回の生徒会監査に波紋を投げかける結果となった
蒼の体質を調査する為の、魔法の実験に付き合ってもらうと魔法が使えなくなり
と、サブヒロインのアナザーシナリオは全員ベタな展開となっていますが
特にシンプルな流れとなっており、魔王さまかわいいよね、するおだけの話です
■メリッサ・マスタング
西塔生徒会書記となる好戦的な鉄の魔女、留学も自分がより強くなるためと理由はシンプル
武術をたしなみ1対1では高い戦闘力を誇る一葉に執心してなにかと戦いを挑んでくる
熱しやすい性格で、アイリスやシャリーの静止を振りきって暴走することが多い頭痛の種
会長でないことに腹を立ててアイリスに絡んだりと、西塔きってのトラブルメーカーである
巻き込まれたアメリカンドッグ大食い大会で勝利以後、目下のライバルとして目標にされ
毎日のように絡まれている内に思わぬ縁が生まれ、とあることをきっかけに距離が縮まる
と、非常にシンプルですが、コメディ方面でいい感じにまとまっているお話だったかと
さらっと書かれますが、魔法以外のことはやたら高スペックなですよねこの主人公
■タチアナ・M・パブロワ
西塔生徒会の会計をつとめるロシア出身の少女、搦手が多く応用が利く闇の魔法を使う
ゲームの世界大会で優勝しておりプロゲーマーとして契約もするなちょっとした著名人
ネットで配信するなど、ネット方面で活躍する一方で、学園では基本的にボッチである
人付き合いが得意ではなくさらっと毒が出てしまうなど、いろいろと難儀なヒロイン
リア充爆発しろなオタク系ヒロインなのですが、対立構造になるとどれほど面倒かという
その辺りは鳴ルートで爆発するのですが、本人のアナザーシナリオではチョロインとして
嫉妬深い部分など見せつつも素直じゃないながら可愛らしくヒロインアピールしてきます
アイリスシナリオでは言葉がきついながらも思いやりなどが見られるヒロインなのですが
シナリオにより、かなり悪印象を受けてしまうこともあるなかなかに面倒なヒロインです
■シャリファ・ルクサーナ
西塔生徒会で去年も生徒会長を務めた先輩、愛称はシャリー
特殊な花の魔法を使い、魔法のセンスもある天才魔女であるが、舞生の陰に埋もれている
去年の監査ではストーレートで東塔に負けており、敗者となる辛さを誰よりも知っている
その経験と持ち前の性格と舞生への恨みからか、過激な言動が端々に見られる部分がある
とは言え、更に個性の強い新入生2人には、振り回され気味で比較的常識的な枠に収まる
個別では一応お色気担当だということを思い出すヒロイン、耳年増なのは言わずもがなです
自分を慕う妹にカッコを付けるため恋人ごっこをしたりするお話になっています
そのまま本気にとなるのは定番ですが、アナザーは決定的な関係までいかないのですが
それが、シャリーの空回り暴走ぶりをいい感じに引き立てているようなそうでもないような
【Hシーン】
・竜胆ほのか:5
・アイリス・ラインフェルト:5
・真名鶴一葉:5
・神楽坂鳴:5
・氷室舞生:1
・メリッサ・マスタング:1
・タチアナ・M・パブロワ:1
・シャリファ・ルクサーナ:1
メイン4人は本編に3シーン、おまけで2シーンの5シーンという構成です
一応魔女スタイルでのシーンは全員分あり、個別では際どいコスチュームもあり
とコスチュームは凝っており、多少Hシーンが頑張っている感じはあります
プレイ自体は前戯に手や胸、多少足がある程度で、特殊なシチュはありません
巨乳キャラが多い関係か、胸でのプレイ率が結構多いのは印象的ですね
【まとめ】
女性だけしか存在しないと言われた魔女の学園に、唯一魔力をもらった男子が入学
……という一時期ライトノベルで流行ったようなお手軽ハーレム設定のエロゲー版
と見せかけて……というのが、本作のコンセプトみたいな感じでしょうか、変化球ありき
重要そうに見える蒼の魔法の正体も定番の魔法を無効にできる能力なのですけど
この作品ではシナリオを展開させる道具以上の意味合いを持ってないのですよね
そもそも生徒会監査で直接対決をする対戦というのは殆ど存在しないわけですし
一部のシーンでチート能力だといわれることはあるものの、活躍する場面は殆ど無いです
あまり派手に主人公が活躍する作品ではないという辺りは注意が必要な感じです
シナリオとしては、若いのに小さくまとまるなとか、やるなら覚悟決めろとか責任とか
学生に訴えてるのか、新社会人を教育しているのかという印象を受けるお話でした
鳴シナリオである辺りが顕著ですけどネットのコミュニティへの苦言にも見えました
作品としては結局この、見せかけて以降をどう受け取るかで評価側分かれる作品かと
個々のヒロインシナリオではかなり可愛かったのですが、サブヒロイン達については
見せ方次第では憎らしくもなるをいやというほど味合わされた作品でもありました
この辺りは、「ライトノベルのアレと見せかけて~」の部分が良くも悪くも影響します
個人的にはアナザー位単純な展開な方がヒロインとの関係を楽しむ分には良いなと
メインシヒロインのナリオについても前半戦は萌えゲーとしてかなり楽しめたので
本番というべきか後半のシナリオ転換には上手く適応できず戸惑う部分がありました
終わってみればヒロイン自体はお気に入りの子が多いです、特に鳴は良いキャラしてます
西塔勢は難儀な子が多いですが、ターニャとアイリス辺りは妙にリアリティがあります
リアリティが有ればいいというわけでもないことは、メインでよく理解しましたが
と、前半とおまけだけ切り出せば、キャラとのイチャラブを楽しめる萌えゲーなのですが
後半の展開を盛り込むことで狙い通りなのか、かなり変化球気味になっています
個人としては一葉ぐらいが調度良い塩梅で、鳴シナリオは引っかかってしまいました
万人におすすめとは言い難いですが、ツボにはまれ大きく化け作品となるかもしれません


