
【作品の概要】
祖父母の住む田舎町「夜間瀬町」に引っ越してきた「須賀川勇希(名前変更可)」となり
「夜間瀬学園」に通う3人のヒロインたち出会い、恋をしていくことが目的です
御大層なシナリオはなく、徐々にヒロインと仲良くなっていき、恋してイチャイチャする
という恋愛モノにおいてお話として特に美味しい過程の部分をひと通り描いています
【システム】
・画面は4:3
・次の選択肢へ、前の選択肢へあり
・アペンドシナリオあり
・主人公の名前変更可能
【仕様など】
ヒロインは3人、EDの分岐などはなく、付き合い始めてからは一直線となっています
MAP選択でヒロインと出会っていくことで、甘え度と呼ばれる好感度的なものが上がります
甘え度が100%まで達すると「想いを伝える」というコマンドが登場して告白が可能になります
この状態で想いを伝えず、マップで選択しても相手から告白されるようになっています
最初に名前入力は可能ですが、名前は呼ばれずヒロインがこちらを呼ぶ際は代名詞になります
さらに言えば、主人公の顔がシーンによっては隠さずに登場するため「主人公=あなた」
とするには少々、徹底が足りないといいますか、詰めの甘い部分がところどころで見られます
恋愛SLGではなく、あくまで恋愛ADVなので、基本的に萌えゲーと見るのがよいでしょう
以下、ネタバレを含む感想です
【ヒロイン】
■高社紗雪
町の顔として知られる「高社神社」の娘で、学園随一の有名人であるクラスメイト
生まれと家柄の良さで周囲からは「巫女姫」と呼ばれ慕われつつもどこか敬遠されている
自身も他人と上手く接することができず緊張から話すことができないことを気にしている
掃除が好きで、人一倍こだわりを持っている、そこをきっかけに打ち解けていくことに……
共通のシナリオで友人として打ち解ける展開があるため、優遇されがちなヒロインです
想いを告白してから結ばれるまの過程も、他と違い山場的なものがあるのですけども
これは紗雪の想いがどうとかではなく、その父親「浩司」に認めてもらえるからが焦点
見て目てもらえるための試練が正直、陰湿な嫌がらせのそれに過ぎず、不快感を覚えます
果たして、ヒロインとのイチャラブを楽しむ作品としては微妙な要素に思えました
試練を超えた後は順調といいますか、後は他と同じく個人の抱える問題を超えるにすぎません
基本真面目だけど時折見せる大胆な行動がウリという感じになっていると思います
しかし終盤は、これからの為と、神社も疎かにしないと思いつめるわけで、中々甘えません
アマカノのコンセプトで一番その枠から逸脱してしまったのは、なんとも残念な気がします
■上林聖
主人公が暮らすことになる祖父母が経営する「山ノ内荘」に下宿している唯一の学生
学園では先輩であり、恵まれた容姿と気取ったところの無い性格から、男女問わず人気者
ノリが良く、年上の余裕で以って同居している主人公のことを何かとからかってくる
しかし、男性の知り合いは多くなく、不意打ちに弱く、時に初な反応を見せることもある
実は人一倍、寂しがり屋で甘えん坊であり、嫉妬深い子供っぽい態度が全体的に見られます
一緒にいると少し意地悪なお姉さんですが、一人になるとその弱さがかいま見られます
ヒロイン視点が多いですが、その演出が聖の弱さがわかりやすいようになっていますね
シナリオ自体もそこに始終していた気もしまして、恋心を自覚してからはあっさりという印象
その分、最初の甘え度からなかなか進展しない部分でバランスが取られている感じでしょうか
シナリオは、とにかく離れたがらない寂しがり屋の先輩とイチャイチャいしていく感じです
お話は非常にシンプルですが、その分、ヒロインを堪能するに向いていたと思います
■星川こはる
甘味処「こはるびより」の経営者の娘であり看板娘であり、学園の後輩でもある元気娘
目の前で転びかけたところを助けるという些細なきっかけを元に知り合いとなっていく
人懐っこい性格で、聖をお姉さんと呼び慕っている他、紗雪とも普通に接することができる
主人公に対しては最初はおぼろげながら記憶にあるお兄さん程度の存在であるが
偶然が何度か重なる内に頼れる先輩そして恋人という存在に変わっていくことになる
小さい体ながら恵まれたプロポーションを持ち、それ故に男子の視線を集めてしまっている
よって、シモネタや男の視線に敏感であるが、主人公だけは特別という感じでしょうか
抵抗があると言ってる割には犬チックな行動で無意識にスキンシップをとってきたりと
その辺り無防備さとのギャップがこのヒロインのウリとするところではないかなと思います
恋愛して対等の関係になっていく過程が3人の中では丁寧に書かれていた印象がありますね
コンセプトに一番あったシナリオの流れと思いますが、その反面展開は弱い印象です
良くも悪くも学校のイベントとヒロインとの色恋沙汰だけで書く難しさが出ていましたね
【Hシーン】
・高社紗雪:6
・上林聖:7
・星川こはる:6
OHPでも紹介されていますが、紗雪の6回目を除けば本編中に入っており結構多めです
2回戦にまで移るプレイが殆どで、1回で連発も多く、萌え系の抜きゲーぐらいの濃さはあります
プレイ自体は胸で挟むとかおしりとか、恋人の延長線上みたいなプレイはありますけども
マニアックなプレイ自体はないので、あくまで愛情行為の延長線みたいな感じですかね
ヒロインは全員胸が大きいため挟んでくれるプレイを全員が持っているのもポイントでしょうか
こはるの服を着たままのシーンは結構視覚的に面白いプレイになっていると思いました
【まとめ】
名前の入力を促しつつ、物語が新生活から始まり、ヒロインは全員初対面という設定で
基本的には「主人公=あなた」の恋愛SLGを意識させるような作品になっています
友人から恋人そしてHシーン、更にその先とステップアップを描いた作品ということで
しかし、実際のところあまり攻略するゲーム的な要素はなく、ガワはそれっぽいものの
選択肢的なものはほとんどなく一本道を進めていく普通の恋愛ADVというところです
主人公の顔が出たり好感度的な要素があるのは、元のコンセプトの名残なのでは?と思うほど
あってもなくても困らないといえば困らないのですが、残骸があるだけに気になります
わかりやすく試練を乗り越えて結ばれる恋愛シナリオになっている紗雪シナリオなどを見ると
アマカノのコンセプトとあまり合ってるとは思えず、軌道修正をしてこうなたのでは?
と、色々背景が見えてしまうのが、どうにも引っかかってしまう作品となっていました
ヒロイン自体の魅力は決して悪くないですし、ヒロインとのHシーンも結構濃くなっており
こはるシナリオでは、先輩と後輩の関係から恋人、その先がうまく描かれていたと思います
他でも、多少変則的出来はあるものの、恋人になってもすぐHシーンとはなっておらず
互いの思いをあたたまる期間が用意されているのは、意識して描かれていると思いました
しかし、名前を入力させたのに、呼んでくれないのは先に語ったとおりですけど
更にいえば1枚2枚でなく結構な頻度で主人公の顔がCG(スチル)に登場しています
名前を入力させる余地をもたせ編入生という過去を意識させない設定としているのに
CGでは打って変わって「主人公=自分」ではないとつきつけられているように感じました、
ただ、聖シナリオだけ正面の顔がなく、あっても顔に影がかかっているのですけれども
他には「想いを伝える」というヒロインに告白するか否かを選択式できたのかは不明です
この選択肢は別に選択しなくても放置していれば最終的に相手から告白されます
それで演出や暫くの間テキストが変わるのですけど、違いといえばその程度になっています
他のヒロインに告白できる自由度がアレば、わかるのですけど、コレができるのは甘え度100
ほぼ一本道でヒロインを選択しないと到達しないようなパラメーターで分岐確定済みなのです
相手に告白するかされるかだけを選べる機能になっていますが、差分も少なく中途半端です
と細かい部分で気にはなるのですが、上記が気にならないのであれば、ただイチャイチャする
抜き成分が強めの萌えゲーとなっていますので、ヒロインが気に入ればありでしょうか
難しく考えずヒロインとイチャイチャしたいという目的ならば良い作品になるかなと思います


