
攻略対象は5人、更にTRUEシナリオがあるためルートは多め
ヒロインとしては「緋宮あやり」にかなり重点が置かれています
選択肢は多くなく、選択肢へのスキップもある為攻略は容易です
ただ、攻略制限がいくつかあるので、好きなヒロインからとはなりません
基本的には難しいことを考えず読み進めていけるものになっています
ウリはなんと言ってもE-moteでしょう、立ち絵が良く動きます
他でもありましたが、ここまでしっかり作られているのは初めてかと
Hシーンでアニメするものはあり、あれがH度を上げる目的だとしたら
これはキャラのしぐさにより、ヒロインの萌え度を上げる手段でしょう
とにかく最初は立ち絵を見るだけでも楽しめるようになっています
慣れるとそこまで意識することも無くなってしまうのですけども
これは逆にそれほど自然な演出ゆえにという感じでしょうか
設定は学園+ファンタジーという形で「はぴねす!」に近い印象ですが
本作では、学園は活動拠点であるものの、学生らしいことはあまりしません
街自体が非常に特殊な上ずっとそこが舞台なので、現代、学園とは言葉のみ
文明が現代に近いファンタジー物というほうがイメージに近いです
これは舞台が常に風城の街で、外の世界について殆ど描写されないがために
上手く普通の世界の常識と風城の特別性が上手く対比されていないからかなと
ヒロインにしてもそうで、ヒロイン全員がこの世界でも特別な存在である為に
風城で暮らす普通の人達、学園の学生達がどうであるかという視点がないのです
唯一、外からやってきた主人公の「有馬洋輔」がその視点をもつわけですが
他に同じ価値観を持つ存在がいない為、プレイヤーは特別さを理解することが出来ず
あたかも、ファンタジー世界へ迷い込んだような印象を受けたわけです
まあ、そう感じたところで困る事はないのですけど
妙に回りくどい設定にしたものだなと、設定するならもう少し活かして欲しかったなと
少なくともシナリオを語る上では学生と現代要素はあまり必要が無い気もします
学生、現代は抜きにしても、騎士の「真騎士」設定とかかなり無理がありますし
現代モノで、表面上は普通だけど実は……というのはプレイヤーにはほぼ意味ないです
その苦しいネタのためにシナリオや設定に無理が生じている気がしてどうにも……
こういうネタを仕込むならもっと自然に書いてもらわないときついかなと思うわけです
自然でなくても、他の描写で支障をきたすようなものにするのはどうかなぁと
その苦しい設定をまわす為に遠回りして肝心の部分が疎かになっていたりして……
と、その設定のために妙に引っかかる流れとかはあるんですけども
この世界の大元の設定とかは嫌いではなかったりしますし、大切にしていると思います
シナリオがその説明に労力回されている部分もありそれはどうかなと思うのですけども
全体的に、納得のいかないようなおかしなお話にはなっていないとは思います
ヒロインはどの娘も好印象というところでE-moteと合わさって非常に可愛いです
ただ、水澄とえくれあについては1セットで貧乏くじを引いているところがある気もして
その部分は少し残念ではあるかなと思ったりもします
そんな感じで、少し設定に振り回されて使いこなせていない気もしますが
それなりに凝った設定がなされたファンタジー+学園モノという感じでしょうかね
E-moteによる演出は立ち絵による会話シーンでも非常に華やかに彩ってくれまして
人によってはコレの為だけでも手を出しても楽しめるのではないかと思います
カテゴリーは設定云々言っていますが基本的には萌えゲーに入るものであるかと
よって、ヒロインたちが気に入るかが大きいですね、E-moteとともに体験して
気に入ったようなら手を出すという感じが良いのではないかなと思います
以下、ネタバレを含む感想など
【システム】
・画面は16:9
・キャラ別音声設定
・次の選択肢、前の選択肢あり
・シナリオ攻略制限あり
・E-moteによる立ち絵動作設定
抑えるところは抑えた足回りということで、特に不満はありません
選択肢はそこまで多くなく、攻略に手間取ることも少ないでしょう
シナリオは最初は先輩2人のみ攻略可、1人クリアで魔女2人攻略可
水澄クリアでえくれあルート解放、5人攻略であやりトゥルーという構成
全シナリオクリア後立ち絵モードが解放されるといった感じになっています
E-moteは動かす部位や、胸の動かす量などが設定できます、たゆんたゆん
【シナリオ】
■緋宮あやり
外からやってきた主人公「有馬洋輔」を迎えた「魔女」の少女
叔母の「鑑悠子」の元で暮らしており、同居することになる
何をやるにもおっかなびっくりで、世間知らずな部分が多々ある少女
感動屋で些細な出来事でもびっくりしたり喜んだりするリアクションの楽しい娘
そのリアクションの大きさなどから、E-moteとの相性が非常に良いヒロイン
立ち絵などを見ていても一番楽しいヒロインであると感じられる部分がある
ゆえに、あやりの性格が何処に起因するかわかった時は軽くショックではあるが
その辺りを考えるとE-mote含め、設定含め、あやりの作品であるなと思ってしまう
このシナリオ自体は、あやりと絆を深めて行きひとつの結末を迎えることになるが
妙にしっくり来ない終わり方になってしまうので、お預けを喰らう形になる
ただし、後に現れるトゥルーはコレに対するフォローでないのが妙に引っかかったり
その部分はともかく甘えてくるあやりは非常に可愛いので由とします
■雪村涼乃
あやりと同じく「魔女」のアバターであり、クラス委員も務める優等生
クールな印象を受けるが、生真面目であるものの面倒見は非常によい
雪村の娘として「魔女」であることに誇りを持っており、振る舞いも徹底している
同じ魔女としてあやりを何かと気にしている部分があるが?
あやりと同程度の設定消化をしつつも、ヒロインとの交流もしっかり書かれた
バランスの良いシナリオになっていたかなと、特に恋愛感情を持ってからの
涼乃の態度は非常にかわいらしい、色ボケするクールな優等生っていいよねことで
妹である明乃も良いヒロインですが、さすがに手を出せないようでFDですね……
最後はご都合主義な部分もありますけど、一番後ぐされない結末ですよね
全体的に安心して読めるタイプのシナリオになっていたかなと思います
■羽多野莉々子
洋輔にとって姉的存在である2歳年上の先輩、「騎士」のアバターをしている
小さいなりではあるが、器は大きく、しっかりお姉さんをしているヒロイン
時代劇で日本語を覚えた影響で多少言葉が古風であるがそのアンバランスがウリ
この世界のチュートリアルを担うことになるシナリオ、最初のプレイが良いかなと
先に行ったとおり、真騎士の設定は色々と苦しいなと思う部分がありますね
苦しいといえば、互いの思いを通じさせるまでの流れも何かと苦しい部分があります
互いに理解を深めてからの流れは嫌いではないのですが、そこまでの流れは……
数少ない洋輔が男の子らしい活躍を見せるシナリオになっています
一応表面上はハッピーな結末ということで、導入として掴みは良いかなと思いつつ
導入部から結ばれるまでの過程とかはもう少し上手く描写して欲しかったですね
■紫門水澄
3人目の魔女、つねにえくれあという容姿の似た少女と一緒にいる優しい先輩
アバターについて興味を持った洋輔のアドバイザーとして縁を持つことになる
その縁から常にそばにいるえくれあとも関係が進んでいくことになり……
正直途中までは完全にえくれあルートなんですよねこれ
ゆえに、水澄シナリオへの分岐はかなり強引なものがあるなと思うわけで
ただ、その強引さが逆に水澄先輩の情熱的な一面を表しているようで……
とにかくヒロインとの交流に重点が置かれたシナリオになっているかなと思います
山場はあるんですけど、凄いあっさり片付きますし、シナリオの活躍という点では
功績は凄い大きいんですけども、基本的に貧乏くじを引くというのが水澄の役割です
■紫門えくれあ
水澄と常に一緒にいる、自称「水澄のマジックワンド」
話す時はタメ口で何かと突っかかるような言動をしては水澄にたしなめられる
水澄が世界の中心であり、軽く崇拝しているような部分も、ゆえに水澄に対しては弱い
水澄のためではなく、自分へも気にかけてくる洋輔にたいして興味を抱いていく
でも脳内会議見ると実はそれほどでもないんじゃと思いつつ、水澄クリア後は分岐可能
おまけという面もあるのか、大きな展開の無いシナリオですヒロインを楽しみましょう
ちなみに水澄とえくれあはセットの為かHシーンやシナリオがボリューム的に抑え目です
シナリオの流れからはえくれあに行くほうが自然な気もするのですけど……
というわけで貧乳枠です、莉々子はAA枠なので……3Pのサービスはありません
■あやりトゥルー
5シナリオクリア後タイトルから始まるあやりのもう1つの結末
本編あやりの延長ではなく、まったく違った展開を見せることになる
風城という街、ストライダー、魔女達のウィッチという設定開示とともに
メインキャスト殆どに見せ場があるという全部載せの内容になっています
あやりと洋輔が強く惹かれた結果、あやりのウイッチの力を吸い出さず
あやりはウイッチとして覚醒してしまい、風城の街は異常事態になってしまう
各勢力のさまざまな思惑が絡み合い、身動きの取れない状況に追い込まれる洋輔達
果たして、この異常事態をどう打破するのか、そしてその先にあるものは?
あやりを救うという意味ではコレがトゥルーなんでしょうが
犠牲なしにという意味では涼乃シナリオの方が上手く収まっているような……
そんなわけで、一応の結末は迎えるものの完全なハッピーでないのがなーとか
通常あやりルートの延長上でないのがなーと妙に不満点を覚える結末です
そういえばこの髪、目の色からしてカンパネラのガーネットのリベンジなのではと……
【Hシーン】
緋宮あやり:7
雪村涼乃:4
羽多野莉々子:4
紫門水澄:4
紫門えくれあ:4
あやりは本編で3シーン、トゥルーで4シーン
水澄とえくれあは4シーン中2シーンは比較的軽めなボリューム
サブキャラや複数プレイなどの特殊なものは無いです
最近のシーンは1シーンで2回戦はあたりまえとか多いいですね
1回戦にしても2回とかやったり、濃さを在る程度意識しているかと
プレイ内容自体は普通の範囲で収まります、過激なのや変態なのはなし
服装によるプレイなどはしっかりと抑えてはいるのでその点は安心です
【まとめ】
なにはともあれE-moteということですかね、シナリオに思うところがあるのですけど
ひとまずヒロインの魅力を引き出す方法として新しい表現が出来たなーと思います
勿論キャラとしても十分魅力的に書かれているからこそなのですけども
労力は大変でしょうけど、今後も続けて欲しい演出だと思います
シナリオは設定とかは好きですけど、変化球気味の初期設定で首を絞めている気が
あえてこれは現代モノ的な前置きは必要だったのかなと思うわけです
最初から異世界ファンタジーとかいったほうが素直に進められたのではと
この辺りはどうみても設定に振り回されている部分があるように感じました
2人ぐらい過程をすっ飛ばしているようなヒロインもいた気がしますけども
ヒロインの魅力を見せる部分ではどの娘もしっかり抑えていると思います
シナリオ的にもバランスよく出来ていると思ったのは涼乃でしょうかね
演出で言えばやはりあやりですけど、設定が選考している部分も多いので
色々惜しい部分や足りない部分はあるのですけど、萌えゲーとしてみていたので
あやりの設定まわりのシナリオで楽しめただけでもよかったかなと思うわけです
シナリオとか何があってもハッピーな結末が欲しい人には手放しとは行きませんが
ヒロインに惹かれて萌えゲーとして手を出すには十分な魅力を持ったゲームかと思います


