
主人公はサディスト、ヒロインに当たる二階堂姉妹もサディストという設定ですが
どちらがよりサディストで、相手を隷属させるか……という内容ではありません
女性キャラは3人いますが構成はメイン1人とサブ2人という感じになっており
シナリオ自体は適当にSっぽく振舞うのとMっぽく振舞うので埋めることが出来ますが
CGを埋めるとなるとかなり難しい作品になると思います、条件が不明確です
シナリオ中の選択肢次第で内容が少し変わるようで差分の回収が困難です
回想モードはひとしきり従順にする場合と反抗する場合でたいてい埋まるかと思います
回想モードは見られないパターンもあるので、色々と使いづらい部分があったり
シナリオは基本的に一本道で、Hシーンの分岐はあるものの全体の流れは共通です
最初は一方的に攻め立てられますし、逆転をしてヒロインである勅子を攻め立てます
勅子との関係に限れば最終的には相思相愛なり、主人公が主導権を握ります
よって、SゲーとしてMゲーとして期待して、見たい部分だけを見て楽しむ
というスタイルが通じにくいゲームになっているのでそれ目当てでは注意が必要です
Hシーンは過激なツンデレカップルのコメディぐらいの認識が良いかと思います
全体的なプレイの比率で言えば、Mシチュのほうが多いと思います
Sシチュにてついてはほぼメインヒロインである勅子にのみ向くものなので
調教と題したプレイでは立場の逆転後でもMシチュが継続しますので結果的に
攻めるSシチュよりも、攻められるMシチュの方が多いという感じでしょうかね
かなり特殊な世界が書かれそうな設定ですがシナリオは意外と普通と言いますか
美少女ゲームの区分で考えればそこまで特殊な背景ではないと思います
彼らが彼女らがこうなのは相応に原因があって……という理由が書かれています
あとは二階堂家の事情とかリスカの生い立ちとか設定説明はあるのですが
それを受けて、主人公があるいはヒロインが何かをするって内容でもないです
序盤は互いがサディスティックという設定ゆえか、不毛ないい争いが多いです
中盤以降は、勅子の素直な部分が見えてきて、そこに妹の祈子が乱入してきて……
と、コメディ色が強くなっていく感じでしょうか、ダークな感じは殆どないです
サディスティックな登場人物の奇妙な日々とでも言いましょうか、調教モノであるとか
落とされていく、落としていくといった背徳感を楽しむような作品ではないです
よって、ヒロインを徹底的に調教したい、或いはヒロインに調教された人には向きません
Hシーンでのプレイ自体は激しいプレイも多いので、悪くはないと思うのですけど
あくまで、そんな愛情表現しか出来ない不器用な男女の恋愛ストーリーみたいなノリです
Hシーンさえあれば楽しめる人や、こういった話が好きな人ならどうぞという感じで
以下、ネタバレを含む感想です
【システム】
・画面は4:3
・キャラ別音声設定あり
システムとしては最低限、全体的に使いにくい印象があります
一度操作が非常に重くなることもありましたし、色々問題があるかと
回想モードはシーンのサムネイルが無くタイトルだけになっています
そのタイトルもふざけ気味でプレイ内容がわからないのでなかなか困りました
また回想で、全部が見られるわけで、もなく、そこまでの選択で分岐するシーンは
回想モードでは特にフォローされず、ゲーム中で制覇しないと見られません
CGを埋めるのは回想モードを埋める倍以上の手間が掛かる印象があります
体験版ぐらいに、分岐がわかりやすい選択肢なら良かったんですけど
あのそのままなフォロー文言(SSとSとMとMMとか)は消えたんですね
この仕様ならあれを残したままのほうが手軽でよかったと思うのですけど
【シナリオ】
投資ファンドであった「百目鬼零一」は、個人投資家を利用して
あくどい儲け方をしたことで、恨みを買い、見合いと称して
古くから名家である二階堂家のいけにえとして差し出されることになる
見合いの相手である「二階堂勅子」は、最初からこちらを見下した傲慢な女性で
零一を見も心もぼろぼろにしようと、手ひどい扱いを行ってくるサディストだった
それを受け零一も、自分に似たものを感じ、如何にして勅子を落とすかを考え始める
しかして、この作品はサディスティック・ラブストーリーと名打つとおりに
互いの性格の基盤を元として、だんだんと引かれ始め過去を受け止め理解しあう
というラブストーリーとしては定番な流れでくっついていくことになります
正直過激なツンデレ同士のラブストーリーと読み替えても成り立つ話かなと
【ヒロイン】
■二階堂勅子
メインヒロイン、ほぼこのヒロインオンリーゲーと見て間違いないです
最近は、見合い相手の男をぼろぼろにして人生を壊すことを生きがいとしている
生粋のサディストである……という建前を持つが、ハッタリな部分も多い
経験豊富というが、後ろはともかく前はまだで、始めは好きな人にと考えるロマンチスト
可愛がる妹の前では、経験豊富な女性を演じているなど、色々とほほえましい
ぼろぼろにした男もさまざまな誤解から生じたものであり
本人自身はそこまで非情になれない、少し変わっているだけの女性であり
ただ、一応サディストな部分は持ちます、そして同時にマゾヒストな部分もあります
■二階堂祈子
勅子の妹、もう1人のメインと見せかけて、登場がかなり遅いサブヒロインである
姉のことが大好きで、経験豊富な姉を尊敬しており、本人自身もかなりの好きもの
実際のところは祈子の方がよほど経験豊富であり、技術にも富んでいたりする
零一いわくして力の勅子、技の祈子と称される、
幼いしゃべり方とかわいらしいしぐさ、わがままな態度は見た目相応に見えるが
勅子よりも上手であり、勅子のことをからかって遊んでいる面などが見られる
しかし、姉のことを慕っているのは事実で、姉と零一のために色々やってくれる
実際この作品のシナリオを円滑に進める為の、体の良い進行役という立ち位置で
扱い的にはリスカと良い勝負で、回想の数ならリスカを下回るほどである
小さい子にやられるというシチュを期待するには殆どこたえてはくれない
初回特典では祈子単独のおまけシナリオもある、ビッチ少女の乱交シナリオです
二階堂家の異常性を示す補完シナリオみたいなものなのでクリア後にどうぞ
■リスカ
勅子のメイド、二階堂姉妹の言うことに忠実に従うが、常識は持ち合わせている
痛めつけられう零一を見て、気遣う一面など、なにかと苦労人である
荒事は得意で、零一が勅子へ簡単に逆らえないのはリスカによるものが大きい
基本的にはフォロー役苦労役だが、Hシーンなどでは激しく乱れる部分も見られる
テクニックはかなりのものであるが、それが生かされる場面は殆どない
一応選択次第で個別Hシーンはあるが、個別ENDはない……ついでに祈子にもない
【Hシーン】
回想に追加されるのは53枠
中には未遂だけのプレイなども含まれたり、二回戦があったり、分岐したり
半分は勅子のシーンで、そのうちSとMは半分ぐらいの1つに感じます
次に多いのは3人でのプレイ、9シーンあり乱交もありますが、ヒロイン主導
次に勅子を中心とした二人の組みあわせで大体5シーンずつあります
リスカと祈子単独は非常に少なく、祈子単体は正直1シーンしかないような
ようは複数プレイを楽しむか、勅子を楽しむかというところで
祈子のロリ枠に期待すると物足りない作品になることは間違いないでしょう
プレイ自体はSMが多め、ただ痛めつけるのではなく、道具だったり掘ったり匂いだったり
一部ス○系のプレイもあるので、注意が必要になります、モノレール
全体の比率を見るとMの方が成分的に多いかなとは思います
【まとめ】
サディスティックラブストーリーというのが成るほどと思う内容でしょうか
ひたすらサディスティックに行きたい人や、逆にされたい人向けとは言いがたく
Hシーン自体はそれでいいのですけど、シナリオまで気になる人には難しいでしょう
どちらが相手を屈服させるかという戦いを見たい人や、一方的に屈服したい
或いは屈服させられたい人には物足りない作品になるのではないかと思います
あくまでラブストーリー(コメディ)、登場人物がサディストという感じになっています
シナリオについては、まあ、特筆することもないかなと、過去の経験が原因で
上手く回っていなかった感情が、自分と似た存在と出会うことで覚醒する
その感情表現はサディストゆえにゆがんでいるも、だんだんと惹かれあって……
あとは、各キャラクターがこうなるにいたった背景の説明を薀蓄交えてというところ
この作品にそのような芸風を求められたかというと、正直、コレジャナイ感があり
個別のHシーンをみればそう悪いものではないので、Hシーンがあれば良い人にはあり
あくまでシナリオなどでそのあたりを見たい人には向かない内容かなと思います
一応、受け入れて楽しんでいる描写もあるのですが……うーんと言ったところです
正直、Sな人にもMな人も楽しみにくいどっちつかずな作品を地で行くお話かと
ドS(笑)とかドM(笑)とか笑い飛ばせる人に向いた作風になっています
と、言えば色々と物足りないところもありますが、ミドルプライス作品なので
多くを求めすぎるのもアレかなと思います、正直メリハリが欲しかったですけども
あと、システムやUI周りはもう少し改善して欲しかったなと思う作品でした
次回作があるとしても内容次第ですかね、全く違うジャンルの可能性もありますし


