エスクードの「せんすいぶ!」の感想です
【あらすじ】
マヴと呼ばれる小型潜水艇を駆り乙女たちが戦うウォータースポーツ「戦水」
その世界でジュニア部門において無敗の強さを誇り<エンプレス(女帝)>と呼ばれた
天才的な選手「浮舟陸」がいた……しかし、その陸は3年前を境に電撃引退をして
嘗ての日本トップ選手で母親兼コーチの「浮舟海」と共に戦水の世界から去っていった
その後消息は知られていないものの、陸はいまだ人気の高い選手として伝説となっていた
そんな陸の顛末を知る存在が一人……平凡な「男子」生徒である「長谷見陸」は
3年前に電撃引退した伝説の<女帝>「浮舟陸」その人であった
戦水を日本に広める広告塔として利用され、最後は無理やりに引退させられた陸は
戦水選手としての未練を持ちながらも、今は一人のファンとして日々を過ごしていた
そんな彼の通う私立青崎学園ににも部員、実績不足の弱小ながら戦水部は存在した
そこにユースの元エース選手「蓬生みと」がやってきたことから、物語は動き出す
部長である「橋姫真麻」やみとの戦水への情熱や、自身の戦水への思いが高じて
陸は再び戦水の世界へ挑むことになる、今度は選手ではなく司令塔として
果たして、長谷見陸は弱小の戦水ぶを見事頂点へ持っていくことが出来るのだろうか?
【システム】
・画面は16:9
・キャラ別音声設定あり
・周回プレイ機能あり
・バトルモードのスキップ機能
基本的なものは揃っていますが、パラメータを育てる題目があるので
シナリオのスキップなどの機能は存在しません、結構手間は掛かります
本作にはゲームパートがありますが、一度クリアしたものはシステムの設定で
スキップすること可能になっています、周回プレイなどのとき便利です
ただ、一度クリアしたバトルはスキップ可能となっているのですが
何故か、強制敗北などをする必要がルイベント戦は飛ばせない仕様になっています
経験値も得られずに無駄な戦闘をすることこそ飛ばしたいのですが無理で
敗北からの流れがシナリオの演出とはいえ、少し面倒でした
しかもこれが1.1の致命的な不具合の原因になっているという……
細かい話は別であるとして、少し詰めの甘さが気になる設定でしたね
【ゲームパート】
基本的にはADVパートと育成パートとバトルパートに分かれます
◇ADVパート
通常の会話画面です、共通の重要なイベントなどはそこそこ長いテキストですが
日常は幾つかの会話パターンの繰り返しなので、少し寂しい気がします
個別イベント含め、シナリオのテキストはそこまで多くない印象がありまして
ゲームを楽しむ目的ではいいですが、シナリオアリ気だと少し物足りない気も
◇育成パート
一番にらめっこすることになると思われるのが育成パートになっており
この育成次第で、戦闘パートが楽になったり難しくなったりします
そこまで変な育て方をしない限りは難しくないとは思いますが……
ルールがわかるまでは結構非効率的な育成になりがちですね
◇バトルパート
8×12のフィールドで4対4の対決をするSRPGみたいな感じになっています
相手に攻撃を加えていき相手チームのリーダーを倒せば勝ちというルール
攻撃するだけでなく、相手にぶっかけて滑りを良くする事で防御を下げたり
潜水して相手の視界をかいくぐり懐に突っ込んで攻撃などが行えます
ただ、プレイしてみると、どうしても待ちが有利となるのが苦々しいところ
移動後は通常攻撃程度しか出来ないのでどうしても待ったほうが良いのですよね
特にミトの必殺技が強力かつ待ち有利な性能なので拍車をかけている感じも
最初のバトルクラスも手を出し始めると面白くなりそうなのですけど
どうもルールや敵のルーチン的には待ちに収まってしまうのが残念でした
待ちに足して相手も意味不明な消極戦法や無駄なバフを続けるのもアレでした
全体的にバトルのテンポが悪くなってしまい周回プレイの阻害になっているなと
化けそうな感じはあるのですが、もう少し何かがあればと感じる部分が多かったです
【雑感】
光る部分はありますが、細かいところで粗が目立ち手放しに褒めにくい作品という印象
シナリオはまさに、少年誌の王道スポーツマンガを上手くパロディした感じのもので
キャラクターの個性も上手くたっており、メインシナリオは楽しむことが出来ます
その反面、ヒロインのシナリオが、少年漫画の個別エピソードレベルで収まっており
全体的にボリュームが足りず物足りない印象になっているのが1つ大きな問題でした
ここを上手く強調して美少女ゲームならではの魅力を引き出したら尚良かったのですが
要となるゲーム部分も、もう一歩足りないという感じ部分が多かったかなと思います
戦闘バランスが適当に感じられて、後半になるほど楽に感じるのは仕方ないとしても
取り巻きの行動をもう少し賢くしても良かったのではないかなと思わせられたり
また、せっかくのぶっ掛けも、もてあまし気味で、水着にぶっ掛けて
ウェイトもなくすぐに消えるなら、せっかくの良いアイデアも台無しかと思います
全裸パッチがあるとはいえ全裸か完全水着か2択にほぼなっているのも痛いところ
普通の水着で魚と戦うときは水着が脱げて、これこそ!という感じだったのですが
これは本当に一部の戦闘だけで、そこが非常に勿体無いなぁと思うのです
これがゲームのウリだったら馬鹿ゲーになりますけど、ゲームとして化けたのにと
ゲームである以前に美少女ゲーであるのですが、その部分が弱くなっているなと
Hシーンについても、システムが理解できないと殆ど見られないのもアレです
多分理解しないと1キャラごとに2周は必要なってしまう方もいるのでは
このシステムもあってかなり、Hとは縁がないゲームのように感じました
水着に拘ったシーンはいいと思うのですが、条件が難儀すぎるなぁというのと
メインシナリオのシーンが1つだけというのは流石に……
と、それぞれに光る部分があるのですが、詰めの甘さで殺してしまっているような
そんな印象があるゲームです、メインシナリオの熱さとかキャラの良さとか
ヒロインの可愛さとか見る部分を見れば非常に魅力的だと思うのですけど
それが素直に楽しみにくいというのがすべてです、手放しで薦めにくいですが
なかなか癖のある作品として、嵌ればかなり楽しい作品だと思います
シナリオに興味があって、ゲームパートなどに抵抗を感じなければどうぞという感じで
以下、ネタバレを含む感想